論文

査読有り
2011年2月

看護系大学1年生の生活習慣と生活体験に関する全国調査

聖路加看護学会誌
  • 菱沼 典子
  • ,
  • 佐居 由美
  • ,
  • 大久保 暢子
  • ,
  • 石本 亜希子
  • ,
  • 佐竹 澄子
  • ,
  • 安ヶ平 伸枝
  • ,
  • 大橋 久美子
  • ,
  • 伊東 美奈子
  • ,
  • 蜂ヶ崎 令子

15
1
開始ページ
27
終了ページ
34
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)聖路加看護学会

少子社会で、マニュアル化が進んだ中で育った看護系学生の、生活習慣・生活体験の現状を明らかにし、それに合わせた看護学の教授内容・教授方法への示唆を得るために、全国の看護系大学1年生を対象としたアンケート調査を行った。無記名、自己記入式のアンケートで、調査項目は(1)生活習慣、(2)生活体験の有無、(3)日常生活の中での気遣い、(4)属性、および(5)生活している家の風呂とトイレの設備についての72項目であった。全国の看護系大学に調査協力を依頼し、79大学(50%)の1年生6618名にアンケート用紙を配布した。回答数は4601件(回収率69.5%)、有効回答数は4597件(99.9%)であった。調査は2007年11月〜2008年1月に実施した。本調査は筆者らの属する機関の研究倫理審査委員会の承認を得て行った。その結果、90.1%が10代の女性で、93.1%は平均2.5人の子供がいる家庭で育ち、39.3%が祖父母との同居を経験しており、47.9%が親元を離れて暮らしていた。体験が少なかったものは、子どものオムツ替え32.9%、お年寄りの世話53.8%、病人の世話56.4%の3項目であった。習慣化されていなかった項目は、お盆を使う20.8%、シーツをのばす36.0%、湯をかき回してから湯舟に入る40.6%、食事前の手洗い52.9%であった。しかし90%以上が食器洗い、料理、洗濯、自分の部屋の掃除等を体験していた。習慣化されていないものや体験内容によって、教育内容に加える必要があるだろう。兄弟姉妹がいる中で、さまざまな生活体験をしているという結果から、看護系大学1年生を特徴づけているのは、少子社会や生活体験の少なさではなく、社会全体の生活の利便化を背景にした"Generation Y"ではないかと考えられた。看護学の基礎教育において、学生の現状を踏まえた教育方法の工夫が必要と考えられた。(著者抄録)

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J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201102298829876212
Jamas Url
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&doc_id=20110322280004&url=https%3A%2F%2Fkango-sakuin.nurse.or.jp%2Fnid%2F1101008&type=%8D%C5%90V%8A%C5%8C%EC%8D%F5%88%F8Web&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00014_1.gif
URL
http://hdl.handle.net/10285/7539
ID情報
  • ISSN : 1344-1922
  • 医中誌Web ID : 2011182480
  • J-Global ID : 201102298829876212

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