共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

安全な歯科治療のためのレオロジー-超音波で硬化を操る印象方法の開発-

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究
  • 大森 裕子

課題番号
18K17279
配分額
(総額)
3,770,000円
(直接経費)
2,900,000円
(間接経費)
870,000円

従来の印象採得で最も用いられているアルジネート印象材。その反応経路は、遅延剤と石膏の初期反応を経て、2価イオンがアルギン酸ナトリウムと反応し硬化する。そのため、完全に固まるまでの一定時間の保持が必要である。しかしながら、硬化を待つ間の患者負担は大きく、窒息、嘔吐反射、誤飲誤嚥など全身的偶発症のリスクも高い。そこで申請者らは、現在普及している印象材に対し、外場を加えて硬化反応を促進し、さらにその反応を制御を試みることとした。
本研究は、最も利用頻度の高いアルジネート印象材に対し超音波を印加することで、操作時間および物性の確保と口腔内保持時間の短縮の両立を試み、術者が自由自在に硬化時間を調節できる方法を模索するものである。
申請者は、アルジネート印象材の基材である珪藻土にあらかじめCa2+イオンを含浸させておき、超音波を照射することでイオンの拡散流出を促進し、印象採得における操作および硬化完了までの時間がコントロール可能となる仮説を立てた。超音波照射によって印象材のゲル化時間をどの程度短縮できるかの解明、トレーに入れた印象材へ効率よく超音波振動を伝える装置の開発、それらの結果から臨床へ応用できるシステムを開発するという3点について検討することとした。
まずは、超音波を照射することで印象材のゲル化時間および2価イオンを含浸させた珪藻土の分散液中イオン濃度に対する影響を明らかにする。イオン流出速度を制御する方法として、利用する多孔質材料の粒子径、孔の数の変更を検討しており、流出速度を制御する最も有効な手法を特定する。また、得られた材料に動的粘弾性測定を行いゲル化に要する時間や力学物性値を測定し、現流通材料と比較し改良する。そして、実際の臨床応用を想定し、超音波発生素子をトレー底面に配置した印象用超音波発生トレーを試作し、試作トレーを用いた印象材の硬化時間や操作性を確認し臨床応用を試みる。

ID情報
  • 課題番号 : 18K17279