基本情報

所属
名古屋工業大学 基礎類 准教授
学位
修士(文学)(2016年3月 京都大学)
博士(文学)(2020年3月 京都大学)

連絡先
oota.tadahiro.h2gmail.com
通称等の別名
OOTA Tadahiro
研究者番号
20964901
ORCID iD
 https://orcid.org/0000-0002-0768-0833
J-GLOBAL ID
201601005281107084
researchmap会員ID
B000254119

外部リンク

カント以降の近代ドイツ哲学を中心に研究しています。

(1)ヤーコプ・フリードリヒ・フリースおよびフリース学派、新フリース学派
ヤーコプ・フリードリヒ・フリース(1773-1843)および、その哲学方法論を踏襲した二つの学派である「フリース学派」「新フリース学派」の研究をしております。彼らは狭義のドイツ観念論の系譜からみたら、いわば別の系譜を構成しており、従来的な哲学史理解においては見落とされがちな哲学者でした。しかし、彼らの哲学はその当時においては絶大な影響力を有しており、19世紀以降の哲学史を理解するためには不可欠な存在です。また彼らは、いわば従来の哲学・哲学史理解とは異なる新たな可能性を内包した哲学者であり、近年ではその重要性が、科学思想史をはじめとした各領域からふたたび指摘されています。

(2)アルトゥール・ショーペンハウアー
上記に加えて、アルトゥール・ショーペンハウアー(1788-1860)の哲学の研究を、おもに意志形而上学の問題を中心として、卒業論文から一貫して行ってきました。彼の思想形成をポストカントにおける思想的潮流、とりわけ哲学方法論という観点から再検討することで、カント以降の哲学史の新たな側面へと光をあてることを目指しています。この観点から、形而上学の方法論や、「泣く」という現象や想像力などの倫理学上の重要概念にアプローチしてきました。

これらの狭義のドイツ観念論におけるオルタナティブとしての思想的潮流へと光を当てることで、カント以降の(特にドイツの)哲学史を再検討するとともに、カント解釈の新たなポテンシャルに光を当てられないか模索しています。

(3)「工学の哲学」の研究
現在、「工学の哲学」という新分野の研究に着手しています。具体的には、工学という営みの内実や特徴を、哲学的反省の観点に立って明らかにするものであり、21世紀になって隆盛を迎えた分野にあたります。具体的な内容としては、現象知への着目、制御の志向、自然科学の参照、人間社会との関わり、といった点が、工学を純粋科学から分ける特徴として指摘されるほか、私の哲学史上の研究課題であるフリース学派の自然科学言説のうちに、自然科学の工学化の端緒を見て取れることを指摘しています。本研究課題は、科学研究費補助金の若手研究「19-20世紀ドイツを典型事例とした近代自然科学の工学モデル化の包括的解明」として採択されました。本研究は、工学倫理を体系化する上でも前提となるべき研究であり、工学倫理の究明ともつながっています。

(4)応用倫理学
特に医療倫理学に関して、従来あまり取り上げられてこなかった領域に伏在する問題へと光を当てることを目指しています。その一例として、補完代替医療(CAM)における医療倫理の問題として、鍼灸医療におけるインフォームド・コンセントの問題にアプローチしています。

 

これまでの授業資料(電子教科書・プリント・授業動画)を以下のウェブサイトで公開しています。適宜お役立てください。

https://sites.google.com/view/philsoc


委員歴

  7

受賞

  1

論文

  17

MISC

  13

書籍等出版物

  4

講演・口頭発表等

  51

担当経験のある科目(授業)

  9

共同研究・競争的資金等の研究課題

  4

学術貢献活動

  2

社会貢献活動

  2

その他

  7