共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

インターネット研究倫理の構築-倫理問題の考察と倫理ガイドラインの提案

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H00608
配分額
(総額)
6,630,000円
(直接経費)
5,100,000円
(間接経費)
1,530,000円

欧州SATORIプロジェクトの報告書および欧州標準提案書を検討・分析した。SATORIプロジェクトは、欧州FP7において研究倫理審査および倫理影響評価(EIP)に関して主要国の状況を調査し、欧州標準を提案したプロジェクトである。上記報告書と標準提案の検討のため、この背景となる欧州の研究・イノベーション戦略を概観し、欧州における科学技術と社会との関係を調整する規範的概念である「責任ある研究・イノベーション(RRI)」を検討した。同標準提案の背景には、専門分野や国際的な研究倫理規制の不整合に乗じて、規制の弱い国や分野を濫用して危険な研究・イノベーションを行う「倫理ダンピング」を防止する動機があることを発見した。倫理ダンピング概念を活用し、2020年度以降インターネット研究倫理の問題に取り組んでいる。また、標準提案書(CWA 17145:2017-1および-2)および、この提案書の基礎となる研究倫理審査と倫理影響評価に関する報告書概要を翻訳した。
インターネットなどの情報技術を媒介する人間活動からデータを収集・分析して活用するテクノロジーは、職場の労働監視や行動分析、それらを踏まえた管理に活用されるようになっている。ICTによる職場監視と職務専念義務に関して、最近の応用例と労働判例を踏まえて、過剰な職場での統制に結びつくICT活用を批判する論文を発表した。インターネット研究倫理は、第一には研究の場面での被験者・研究対象者への危害やリスクを防止することが目的であるが、上記RRI概念に見られるように、実社会への適用(イノベーション)とセットで考える傾向が強くなっている。本研究の趣旨も同様のものである。
さらに、ロボットや人工知能、ソーシャルメディア、知的財産権(著作権)の法的・倫理的問題について、個別に検討を行った。

ID情報
  • 課題番号 : 18H00608

この研究課題の成果一覧

論文

  4

MISC

  13

講演・口頭発表等

  9

学術貢献活動

  9