J-PARC 3GeV偏向電磁石電源における電磁石のインダクタンス飽和が引き起こす過電流とその対策
第5回日本加速器学会年会・第33回リニアック技術研究会
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- 開催年月日
- 2008年8月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 東広島
- 国・地域
- 日本
J-PARC 3GeVRCSの偏向電磁石電源は、直流電流を供給する直流電源と25Hzの交流電流を供給する交流電源に分離されており、電磁石に直流バイアスされた25Hzの正弦波電流を供給している。交流電源は出力電圧振幅が一定になる定電圧制御を行うため、電磁石のインダクタンス飽和が大きいと交流電源の出力電流は高調波を含んだ歪み波形となり電流容量の増大をまねく。交流電源の電源容量は、電磁石のインダクタンス飽和が1\%以下という条件で決定したが、電磁石の製作過程でインダクタンス飽和が2.6\%に増加することがわかり、その結果高調波電流が大幅に増加して電磁石に定格電流の80\%程度までしか電流が流せないことがわかった。本発表では、交流電源の出力電圧に高調波電圧を重畳させることにより、電磁石のインダクタンス飽和によって生じる交流電源の過電流を抑制することを提案する。最初に、実験によりインダクタンス飽和を模擬した電磁石の等価回路を求め、回路シミュレーションを用いて過電流を抑制するために必要な高調波電圧を求めた。さらに、実機の交流電源にシミュレーションで求めた高調波電圧を重畳させることにより、出力過電流を抑制し定格電流まで通電可能なことを実証した。