共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2021年3月

ジアゾフリー金属カルベン発生法の開拓と触媒利用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K15565
体系的課題番号
JP19K15565
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

ジアゾ化合物は、シクロプロパン化や炭素-水素結合活性化に利用できる有用な活性種であるカルベンを発生させるために最もよく用いられる前駆体である。しかしながら、ジアゾ化合物のもつ潜在的な爆発性や毒性に関する問題点を解決するために、安定すなわち不活性な化合物をジアゾ代替とする反応の開発が望まれている。そのような反応は必然的に、結合エネルギーの大きい不活性結合の二重切断を経由する必要があるため困難であり、報告例はあまりない。本研究では不活性結合の二重切断により生成する金属カルベン種を基盤とする全く新しい物質変換反応の開発を目的とする。具体的には、安定で入手容易なカルボニル化合物の炭素-酸素二重結合切断やシクロプロパンのgem 炭素-炭素単結合二重切断による金属カルベン種発生を利用する次世代型物質変換法の開拓を目指す。本年度は、カルボニル化合物の脱酸素を経由する触媒的炭素-炭素二重結合形成反応について、さらなる反応条件精査および基質一般性調査を行った。モリブデン-キノン触媒と温和なリンやケイ素還元剤を用いると反応が円滑に進行した。分子間反応においては、基質としてアルデヒドを利用することが可能であり、選択的にE体のオレフィンが得られた。また、二官能性基質を用いることでマクロサイクルやオリゴマー合成へ応用できることを見出した。分子内反応においては、アルデヒドやケトンを用いて種々の多環芳香族炭化水素が得られた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K15565
ID情報
  • 課題番号 : 19K15565
  • 体系的課題番号 : JP19K15565