MISC

2018年8月

人工足関節置換術後の緩みに対し創外固定器を用いて関節固定術と下肢延長術を併用した1例

日本足の外科学会雑誌
  • 吉田 泰久
  • ,
  • 松原 秀憲
  • ,
  • 宇賀治 修平
  • ,
  • 濱田 知
  • ,
  • 土屋 弘行

39
1
開始ページ
349
終了ページ
352
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本足の外科学会

人工足関節置換術(TAR)後に生じた緩みに対する救済手術として、創外固定器を用いた関節固定と下肢延長を行った1例を報告する。症例は61歳の女性で、右変形性足関節症に対して前医でTARを受けたが、術後も右足関節痛が持続し人工関節の緩みを指摘された。当科にてTAR後の非感染性の緩みと判断し、人工関節抜去とTaylor spatial frame創外固定器を用いた足関節固定を行い、術後より脛骨近位で下肢延長を開始した。術後5ヵ月で足関節の癒合が得られたが、延長部の骨癒合不全のため術後9ヵ月で自家骨移植とplate conversionを行った。術後2年4ヵ月の現在、骨癒合は完了し疼痛なく独歩が可能である。リング型創外固定器を用いた関節固定術は、距骨下関節を温存しながらも強固な固定が可能であり、同時に術後の脚長差やアライメント補正も対応可能であったことから、今回のような症例において有用であったと思われる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0916-7927
  • 医中誌Web ID : S816090088

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