共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

屋外使用木材の耐用年数評価のための温度・水分暴露量と腐朽の関係式の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K14891
体系的課題番号
JP21K14891
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

本研究においては、ヨーロッパで研究が進んでいる非接地型の野外試験結果を基とした木材が受ける温度と水分の暴露量によって腐朽度との関係性を示す温度・水分用量応答モデルに着目し、日本産樹種に適用可能な木材の腐朽と含水率の関係を検討し、耐用年数評価に活用可能な関係式として提案することを目的としている。
当該年度は実施1年目であり、実験計画の中心である、わが国では事例の少ない非接地型の野外試験:ダブルレイヤー試験と、わが国では取り組みの見られない、野外試験時の経時的な木材含水率情報の取得について、実施者が2020年6月から先行して実施していた条件の拡充を行った。先行試験樹種(スギ、ヒノキ、オウシュウアカマツ、スプルース)5条件(スギのみ心材・辺材)に加えて、2021年6月よりカラマツ、ヒバ、およびスギ心材のシングルレイヤー(易乾燥条件)の3条件の試験を開始した。取得した経時含水率は気象条件と併せて解析を進めている。野外試験中の経時含水率情報が得られたことで計算可能となった、欧米で提案されている気象要因を考慮した2種の耐久性評価指標については、その実用可能性を研究協力者とともに2021年3月に発表した(本研究期間外)。野外試験により、樹種ごとの含水率の経時変化が異なることが明らかとなり、半年程度ごとの劣化度評価と併せて腐朽との関係性を確認している。先行研究の進んでいるヨーロッパでは、樹種の吸水性能を耐久性の評価指標に組み込む試みも行われている。本研究では、暴露樹種を用いて、EN規格を参考とした吸水性評価および、室内強制腐朽試験中の含水率推移を追うことで、実験室レベルの評価を検討し、今後の試験条件の設定を検討した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K14891
ID情報
  • 課題番号 : 21K14891
  • 体系的課題番号 : JP21K14891