共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

嗜銀顆粒病と進行性核上性麻痺の精神・運動症状の病態の関連に関する臨床病理学的検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K07559
体系的課題番号
JP18K07559
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

嗜銀顆粒病(AGD)26例,進行性核上性麻痺(PSP)10例の前頭葉,尾状核,被殻,扁桃核におけるタウ陽性(AT8陽性)granular/fuzzy astrocyteの半定量評価が終了した.その結果,この二つの疾患の間では病変の形態的な移行がある事と分布が異なることが示唆された.疾患特異性をより明らかにするため,タウオパチーとしてアルツハイマー病(AD)20例,皮質基底核変性症7例,Globular glial tauopathy2例,石灰化を伴う瀰漫性神経原線維変化病5例,Pick病3例,タウ遺伝子変異を有する前頭側頭葉変性症1例,脳炎後遺症1例,筋緊張性ジストロフィ4例を検討した.更に非タウオパチーとして,多系統萎縮症3例,TDP43陽性封入体を有する前頭側頭葉変性症3例,筋萎縮性側索硬化症4例,FUS陽性封入体を有する前頭側頭葉変性症3例,ハンチントン病1例,歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症4例についても同様の評価を行った.また、非タウオパチー群の中でPrimary age-related tauopathy (PART)の定義を満たす症例群をPART群として解析した.その結果GFAの分布はAGD,PSP,AD,PARTのそれぞれで異なる特異な分布を呈していた.全105例を対象に、各部位におけるGFAの出現に関係する因子を明らかにするために,死亡時年齢,AD病理,PSPの有無,AGDの有無を独立変数として多変量解析したところ、全ての部位においてPSPとAGDはGFA出現に関係し,そのオッズ比は前頭葉,尾状核,被殻ではPSPの方がAGDより大きく,扁桃核においてのみAGDの方がPSPより大きかった.AGD例ではAGDステージの進行とともに各種の抗タウ抗体,抗ユビキチン抗体,抗p62抗体,Gallyas染色陽性病変が増加していた,AGD例とPSP例についてタウイムノブロットで、病変の種類に関連したバンドが観察された.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K07559
ID情報
  • 課題番号 : 18K07559
  • 体系的課題番号 : JP18K07559