講演・口頭発表等

2010年9月

大気-植生-土壌複合系内HTO輸送及びOBT生成モデルの開発

日本原子力学会2010年秋の大会
  • 太田 雅和
  • ,
  • 永井 晴康

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)

原子力施設から放出される水状トリチウムHTOの一部は植生に自由水型トリチウム(TFWT)として吸収され、TFWTの一部は有機結合型トリチウム(OBT)として植生に固定される。OBTは組織に長期間残留して経口摂取による被ばくを引き起こすため、トリチウム放出時の被ばく評価では可食部中のOBT量の評価が重要となる。そこで本研究は大気-植生-土壌複合系内水循環モデル(SOLVEG)に新たにHTO輸送とOBT生成過程を導入し、HTO放出時におけるHTO移行とOBT生成量を計算可能なモデルの構築を目的とした。モデルでは葉中TFWTの一定割合がOBTに変換されると仮定し、葉中TFWTの収支は、(1)キャノピー空気中HTOと葉中TFWTの気孔を介した交換,(2)蒸散に伴う根からの土壌水中HTOの吸い上げ,(3)葉中TFWTのOBTへの転換を考慮した。(1)及び(2)はSOLVEGの植生モデルで計算される蒸散量,気孔抵抗,キャノピー大気中HTO濃度及び土壌モデルで計算される土壌水中HTO濃度から計算した。発表ではこれらHTO移行過程とOBT生成過程のモデル化及び試験計算の結果を報告する。