共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年 - 2018年

オキシデーションディッチ法での水質変化が亜酸化窒素生成に与える影響評価と発生対策

日本学術振興会  科学研究費助成事業 奨励研究  奨励研究

課題番号
18H00276
体系的課題番号
JP18H00276
配分額
(総額)
530,000円
(直接経費)
530,000円
(間接経費)
0円

オキシデーションディッチ槽(OD槽)において, 2018/9/4~2019/3/26の調査期間で, おおよそ週一回の調査を行った. 調査では, 反応槽混合液を採取し, 溶存態亜酸化窒素(DN_2O), NH_4, NO_2, NO_3, DOC濃度などを分析した. その結果, 反応槽流入水のDN_2O濃度(1μgN/L程度)よりも低濃度の日があった一方で, 低水温時にNO_2, NO_3およびDN_2Oの蓄積がみられる傾向にあった. 本OD槽では, 水温の低下に伴いDO濃度が増大することが確認されていることから, NO_2, NO_3およびDN_2Oの蓄積は, 水温の低下にともないDO濃度が増大し, 還元酵素が失活したこが要因と推察された. これより, 水温低下やNO_2, NO_3濃度の増大にあわせて, N_2O生成対策を行うことが有効であると考えられた. 既存の施設を利用して対策を講じる場合, 既往の研究を参考に考察するとSRTの調整が有効であると推察された. さらに, 本OD槽は縦軸型撹拌機二台が対に配置され, 交互に稼働している. この撹拌機を時間制御ではなく, 水質にあわせて適切に稼働させることも生成対策として有効である可能性が示唆された.
活性汚泥のN_2O生成ポテンシャルを測定する室内実験を行ったところ, 概ね本OD槽のDN_20濃度の増減傾向と一致した. これより, シミュレーションによりOD槽のDN_2O濃度を推定できる可能性が示唆された.
酵素遺伝子の転写量を解析したところ, amoA, nirK, nosZ clade Ⅱの増減に影響を受けて無機態窒素濃度が増減し, 特にnosZ clade Ⅱの減少時にDN_2Oの蓄積がみられる傾向にあった.
クローズドチャンバーを使用して, ガス態N_2O発生速度(GN_2O)を測定したところ, GN_2O発生速度(μgN/㎡/s)とDN_2O濃度(μgN/L)に, 傾き8.93×10^<-11>の正の相関関係が確認された(R^2=0.97).

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H00276
ID情報
  • 課題番号 : 18H00276
  • 体系的課題番号 : JP18H00276