2021年4月 - 2024年3月
一分子計測法で明らかにするV-ATPaseの機能と構造の相関
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
V-ATPaseはATP加水分解エネルギーを回転運動へと変換し標的イオンを能動輸送する分子モータータンパク質である。本研究ではV-ATPaseの中でも特にナトリウムイオンを選択的に輸送するEhV-ATPaseを対象として、その回転ダイナミクスを明らかにすることを目指した。
分子モーターの動きを詳細に追跡可能な金属ナノ粒子と全反射型暗視野顕微鏡を組み合わせた観察系を用いて、ATP加水分解時の回転運動を可視化した。EhV-ATPaseのナトリウムイオン輸送性の特徴を生かすことで、広い基質濃度下での1分子回転観察を行うことができた。その結果、V-ATPaseでは初めてイオン輸送が律速となった条件でのステップ機構が明らかとなった。さらにATP結合・イオン輸送の両方が律速となる条件での1分子回転観察より、これら2つの反応が異なる角度で生じていることがわかった。これらの実験結果はEhV-ATPaseが"硬い"カップリングを有していることを示唆する。
さらに天然ではATP加水分解酵素として機能するEhV-ATPaseがATP合成能を有するかどうかを検証するために、光によってナトリウムイオン濃度が調節可能な新たな実験系を構築した。
分子モーターの動きを詳細に追跡可能な金属ナノ粒子と全反射型暗視野顕微鏡を組み合わせた観察系を用いて、ATP加水分解時の回転運動を可視化した。EhV-ATPaseのナトリウムイオン輸送性の特徴を生かすことで、広い基質濃度下での1分子回転観察を行うことができた。その結果、V-ATPaseでは初めてイオン輸送が律速となった条件でのステップ機構が明らかとなった。さらにATP結合・イオン輸送の両方が律速となる条件での1分子回転観察より、これら2つの反応が異なる角度で生じていることがわかった。これらの実験結果はEhV-ATPaseが"硬い"カップリングを有していることを示唆する。
さらに天然ではATP加水分解酵素として機能するEhV-ATPaseがATP合成能を有するかどうかを検証するために、光によってナトリウムイオン濃度が調節可能な新たな実験系を構築した。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K15060
- 体系的課題番号 : JP21K15060
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
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日本生体エネルギー研究会 第49回討論会 2023年12月15日
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第9回バイオダイナミクス研究会 2023年12月14日 招待有り
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第12回分子モーター討論会 2023年9月27日
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令和4年度 日本生物物理学会 中部支部講演会 2023年3月31日
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物性研究所機能物性セミナー 2023年2月16日 招待有り
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日本生体エネルギー研究会 第48回討論会 2022年12月15日
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East Asian Single-Molecule Biophysics Symposium 2022年10月 招待有り
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第60回日本生物物理学会年会 2022年9月30日
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第60回日本生物物理学会年会 2022年9月29日 招待有り
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令和3年度 日本生物物理学会 中部支部講演会 2022年3月17日