共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

一分子計測法で明らかにするV-ATPaseの機能と構造の相関

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K15060
体系的課題番号
JP21K15060
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

V-ATPaseはATP加水分解エネルギーを回転運動へと変換し標的イオンを能動輸送する分子モータータンパク質である。本研究ではV-ATPaseの中でも特にナトリウムイオンを選択的に輸送するEhV-ATPaseを対象として、その回転ダイナミクスを明らかにすることを目指した。
分子モーターの動きを詳細に追跡可能な金属ナノ粒子と全反射型暗視野顕微鏡を組み合わせた観察系を用いて、ATP加水分解時の回転運動を可視化した。EhV-ATPaseのナトリウムイオン輸送性の特徴を生かすことで、広い基質濃度下での1分子回転観察を行うことができた。その結果、V-ATPaseでは初めてイオン輸送が律速となった条件でのステップ機構が明らかとなった。さらにATP結合・イオン輸送の両方が律速となる条件での1分子回転観察より、これら2つの反応が異なる角度で生じていることがわかった。これらの実験結果はEhV-ATPaseが"硬い"カップリングを有していることを示唆する。
さらに天然ではATP加水分解酵素として機能するEhV-ATPaseがATP合成能を有するかどうかを検証するために、光によってナトリウムイオン濃度が調節可能な新たな実験系を構築した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K15060
ID情報
  • 課題番号 : 21K15060
  • 体系的課題番号 : JP21K15060

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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