2022年7月
日本人中高年女性のホットフラッシュと不眠および抑うつ気分の関連
日本女性医学学会雑誌
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 29
- 号
- 4
- 開始ページ
- 594
- 終了ページ
- 600
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本女性医学学会
日本人中高年女性を対象としたホットフラッシュの有症率や心身の健康との関連についての報告は十分ではない。本稿では、地域在住中高年女性のホットフラッシュに着目し、不眠および抑うつ気分との関連について、国立長寿医療研究センターで実施している「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences-Longitudinal Study of Aging:NILS-LSA)」から得られた知見を中心に報告する。NILS-LSAの第7次調査(2010〜2012)に参加した日本人女性1,152人(40〜91歳)のデータを解析した結果、日本の典型的なライフスタイルを持つ地域在住中高年女性のホットフラッシュの有症率は約4分の1(24.5%)であり、50〜54歳の年齢層(45.3%)または閉経後2〜5年の年齢層(47.7%)で最も高く、ホットフラッシュの重症度も50〜54歳で最も高かった。潜在的な交絡因子を調整した後でも、ホットフラッシュ有症群は非有症群に比べて不眠を有する可能性が高く(調整オッズ比[95%CI]:入眠障害2.09[1.57〜2.80]、中途覚醒2.07[1.55〜2.76])、抑うつ気分を有する可能性も高かった(3.04[2.10〜4.40])。これらのことから、ホットフラッシュは、心身の健康の低下と関連することが示唆された。今後は、ホットフラッシュ、心身の健康の関連について因果関係の解明が期待される。(著者抄録)
- ID情報
-
- ISSN : 2185-8861
- 医中誌Web ID : W815310003
- J-Global ID : 202202256854880463