出張肝臓病教室では、岡山大学病院の肝疾患サポートチームが職域に出向き、職員全員を対象として肝炎検診受検や肝臓専門機関受診の重要性を説明した。12回の出張肝臓病教室を603人が受講し、アンケート回答に欠損のない565人の回答を分析した。肝臓病で通院中の人は3人(0.5%)、健康診断で今まで肝機能異常を指摘されたことがない人が468人(82.8%)、健康診断で肝臓に関する検査結果を意識してみていない人が263人(46.5%)であった。肝臓病教室を受講して肝炎ウイルス検査を受けようと思った人が300人(53.1%)、既に受けている人が154人(27.3%)で、111人(19.6%)は受けないと回答した。講演が職場の肝臓病に対する偏見や誤解の解消に非常に役立つと思った人が347人(61.4%)、少し役に立つと思った人が208人(36.8%)であった。出張肝臓病教室に参加した306名中288名(94.1%)が肝炎検診を受検し、HBs抗原陽性者3名(1%)、HCV抗体陽性者3名(1%)であった。陽性者6名全員が肝炎専門医療機関を受診した。