共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

胎児期からの脂肪酸摂取バランスが炎症性腸疾患の寛解と再燃に与える影響

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K11609
体系的課題番号
JP20K11609
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

我々が着目してきた、脂肪酸シャペロンである脂肪酸結合タンパク質(fatty acid binding protein, FABP)について、免疫細胞や免疫応答、細胞の増殖制御に関する知見を重ねている。FABPを欠損した動物は、胎児期からの脂肪酸摂取バランスに異常を持つ動物モデルとして捉えている。
我々がすでにリンパ節や脾臓の樹状細胞への存在を報告してきたFABP5(表皮型FABP)については、制御性T細胞の活性化の制御や、NK細胞の成熟の制御に関与することを明らかにした。また、リンパ節や脾臓の特定の線維芽細胞に発現することを見い出し報告してきたFABP7(脳型FABP)については、肝マクロファージにも発現し、FABP7の炎症への関与を明らかにしてきた。FAPB7は肝線維化過程に役割を果たしていると考えられ、その機能について解析を続けている。これらのFABPは、炎症細胞だけではなく、種々の腫瘍細胞の増殖にも関与しており、疾患の治療への応用も期待されている。
FABP7は、炎症が惹起された際、腸管やリンパ節で増殖する線維芽細胞に発現することをすでに確認し報告してきた。FABP7は、特に、T細胞が多く集積している部分の線維芽細胞に発現する。また、炎症前にはFABP7が全く発現していない部位の線維芽細胞に、その発現が見られるようになる。現在、デキストラン硫酸ナトリウムで誘発した腸炎モデルを作成し、このモデルにおけるT細胞の反応について解析している。動物モデルから得られた結果については、実臨床への応用を検討している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K11609
ID情報
  • 課題番号 : 20K11609
  • 体系的課題番号 : JP20K11609