共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

「ナースのように考える」看護大学生の臨床判断力育成プログラム開発と検証:2群比較

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
19K10753
体系的課題番号
JP19K10753
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

看護系大学生の「ナースのように考える」臨床判断力を育成するプログラムを開発し、その効果を評価することを本研究の目的とする。2020年度は、文献研究により、臨床判断における文献レビューを行った。
臨床判断に関する知見については以下であった。第1に、臨床判断のモデルや定義はTanner(2004)の論文で示された定義が多くの研究で使用されている傾向があった。概念分析に基づくMarettiの定義は、帰結等の記載にさらなる研究の課題があるものの、先行要件等の提示があり今後使用されていくことが予測される。第2に、臨床判断を育成する方法は様々な国で施行されているが、エビデンスを主張できる方法はまだ提示されていない状況であった。HFS、Concept-Based Learning Activity、Outcome- Present State Test (OPT)モデル、Double-pragmatic program などが紹介されているが、臨床判断の評価指標の発展と共にこれらの有効性を検証する研究が進展することが予測された。第3に、臨床判断を測定する指標としてタナーの臨床判断モデルを活用したLCJRが多く使用されている現状があった。包括的な指標として用いられているのと共に、それぞれのフェーズをより具体化した観点が有用であり、臨床判断の理解を促進したものと思われる。測定の目的だけでなく、教授者と学習者の共通言語を得ることにもつながり、教育実践に向けて適用可能性が高いと考察されている。
以上のように、臨床判断の育成方法や評価に関する知見は、まだ限定的である。また、本研究の目的である実習における学習プログラムの開発に対する直接的な知見はない。次の研究では、臨床判断のトリガーとなる看護実践の概念を決定するとともに、臨床判断を高める経験について質的に探索し、実習方法の構築を行っていく。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10753
ID情報
  • 課題番号 : 19K10753
  • 体系的課題番号 : JP19K10753