論文

2018年8月

股関節鏡手術に際し電気凝固メスの破損を生じた2例

Hip Joint
  • 遠藤 裕介
  • ,
  • 山田 和希
  • ,
  • 三喜 知明
  • ,
  • 三宅 孝昌
  • ,
  • 尾崎 敏文

44
2
開始ページ
725
終了ページ
729
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本股関節学会

症例1は初診時46歳女性で、特に誘因なく左股関節痛が出現し、49歳時に手術加療を希望された。X線上CE角0°と形成不全股であり、左寛骨臼回転骨切り術(RAO)前に股関節鏡を施行し関節唇断裂に対して電気凝固メス(VAPR)でシュリンケージを施行した。その後、スロットカニューラからVAPRを出す際に先端を回転させ破損した。関節内には破損片は認められず、関節内洗浄後にイメージで確認したところ外側ポータルの関節外に破損片が認められた。イメージ下にコッヘルでつかんで除去できており、器具が破損したが摘出できた旨を説明し、予定通り4週後に左RAOを施行した。症例2は初診時39歳女性で、特に誘因なく両股関節痛が出現し、40歳時に右RAOを施行、左側も41歳時に手術を希望された。骨切り術前に股関節鏡を施行し関節唇断裂に対してVAPRでシュリンケージを施行したが、ポータルの入れ替え時に助手がVAPRを入れる際に完全に先端がカニューラ先から出る前に回転させ破損した。関節内には破損片は認められたが深部へと落ち込み、器具が到達できない部位へ移動した。2週後の再入院時のX線像で破損片の関節内の移動を認め、RAO手術時に一部関節包を切開し破片を回収した。予定とおり左RAOを施行し、摘出した破損片は2.5mmのサイズで破損部に合致し術後X線像からも完全に除去できたと考えられた。

ID情報
  • ISSN : 0389-3634
  • 医中誌Web ID : 2019027322

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