共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

雄ウナギ催熟技術高度化のための組換えウナギ生殖腺刺激ホルモン作用機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K07952
体系的課題番号
JP17K07952
配分額
(総額)
4,810,000円
(直接経費)
3,700,000円
(間接経費)
1,110,000円

組換えニホンウナギ濾胞刺激ホルモン(reFsh)および黄体形成ホルモン(reLh)を週1回投与することにより雄ウナギを催熟し、適時精巣のサンプリングを行った。各特異抗体を用いた精巣の免疫組織化学的観察の結果、reFsh投与個体では投与開始4週目まで精母細胞が観察されなかったのに対し、reLh投与個体では2週目で精母細胞が出現した個体が認められ、reFsh投与に比べreLh投与により催熟した個体では精子形成が速く進行することが明らかになった。さらに、各種生殖関連遺伝子の精巣での発現変化をリアルタイムPCRにより調べた結果、ステロイド代謝酵素の一つである11β-水酸化酵素の発現が、雄性ホルモンである11-ケトテストステロン(11-KT)の血中量と同様に、reFsh投与個体では投与開始から8週目まで徐々に増加したのに対し、reLh投与個体では1週目で急激に増加した。また、reFsh投与個体では11β-水酸基脱水素酵素タイプ2(hsd11b2)の発現に顕著な変化が認められなかったのに対し、reLh投与個体では1週目に著しく増加した。これらの結果から、11β-水酸化酵素およびhsd11b2が11-KT合成の律速酵素であること、並びにその11-KT合成量が精子形成の進行速度に関与していることが示唆された。
加えて、reFshおよびreLh投与開始16週後のウナギから輸精管を摘出し24時間培養した後、培養液中のステロイドホルモン量を測定した。どちらのホルモン投与で催熟した個体から得た輸精管においても、ステロイドホルモンの基質であるプレグネノロンを添加した群では未添加群に比べ、DHP産生量が高値を示した。さらにプレグネノロン添加群ではreFshおよびreLh添加により、DHP産生量が助長される傾向が認められた。以上の結果、ニホンウナギ輸精管がDHP産生能を有することが明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K07952
ID情報
  • 課題番号 : 17K07952
  • 体系的課題番号 : JP17K07952