論文

査読有り
2015年1月

福島原子力発電所で発生する汚染水や木材に含まれる$^{129}$Iの迅速分析法の開発

Nuclear Back-end and Transmutation Technology for Waste Disposal
  • 島田 亜佐子
  • ,
  • 小澤 麻由美
  • ,
  • 亀尾 裕
  • ,
  • 安松 拓洋*
  • ,
  • 根橋 宏治*
  • ,
  • 新山 拓也
  • ,
  • 関 周平
  • ,
  • 梶尾 政利
  • ,
  • 高橋 邦明

開始ページ
311
終了ページ
317
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1007/978-4-431-55111-9_27

汚染水中のI分析におけるIの化学形態と希釈剤の影響を調べるために、3M NaOH溶液とHCl溶液(pH=2)に$^{129}$I $^{-}$と$^{127}$IO$_{3}$ $^{-}$を添加し、還元剤(NaHSO $_{3}$)の有無によるIのAnionSRへの吸着ついて調べた。その結果、3M NaOH溶液では還元剤の有無にかかわらず$^{127}$Iは抽出されず$^{129}$Iは抽出されたことから、3M NaOH溶液中ではI$^{-}$は抽出され、IO$_{3}$$^{-}$は抽出されないこと、還元剤が働かないことが示された。他方、HCl溶液では、$^{127}$Iと$^{129}$Iが同じ挙動を示し、還元剤なしでは抽出されず、還元剤ありでは抽出されたことから、このHCl溶液中でIは主にIO$_{3}$$^{-}$として存在し、還元剤によりI$^{-}$に還元されたと考えられる。以上によりI$^{-}$とIO$_{3}$$^{-}$を分析するためにはHCl溶液条件が必要であることが分かった。次に、伐採木の分析のために燃焼試験を行った。その結果、100$^{\circ}$Cから300$^{\circ}$Cの領域において、段階的にゆっくり昇温することで異常燃焼を避けられること、有機物は酸化剤により分解可能であること、I$^{-}$もIO$_{3}$$^{-}$も約90\%がアルカリトラップに回収可能なことを明らかにした。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1007/978-4-431-55111-9_27
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5043504
ID情報
  • DOI : 10.1007/978-4-431-55111-9_27

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