1985年1月
環境試料中安定沃素の分析法の検討 -選択性イオン電極法を用いた迅速測定法の開発-
PNC TN843 84-12
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- 開始ページ
- 59
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
環境試料中安定ヨウ素の迅速分析法の開発を行ない,以て129Iの環境における挙動調査に資する。環境中における129Iの挙動を知るための一手段として安定ヨウ素の挙動調査が挙げられる。従来,環境試料の安定ヨウ素濃度の測定法としては,放射化分析法等があるが,分析感度は良いものの操作性が悪く,また分析に時間を要するなどいくつかの欠点があった。今回,新たに環境試料中の安定ヨウ素について,簡便な分析法の開発,検討を行った。分析法としては,1)試料を炭酸塩と共に焙焼した後,選択性イオン電極法で安定ヨウ素を定量する方法及び2)重クロム酸カリウムで試料中の有機物を分解後,亜リン酸を用いた還元通気蒸留を行い,最終的には1)と同様に選択性イオン電極法で安定ヨウ素を定量する方法の二法について検討した。両者とも分析精度は10\%以内,検出限界は1$\sim$2$\mu$gIと良好な結果を得た。また本法を用いて全国及び東海村周辺の土壌並びに海藻中の安定ヨウ素を分析した。土壌では1$\sim$57$\mu$g/g乾海藻では41$\sim$2190$\mu$g/g乾との結果を得た。▲