2014年10月
フェロシアン化ニッケルカリウムの放射線分解に関する基礎研究
Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive)
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- 英語
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放射性廃液からの放射性セシウムの除去は放射性廃棄物低減化に対して有効な手段であることから、その放射性セシウムの選択的除去のためにフェロシアン化物を用いた研究が行われている。フェロシアン化物の廃棄物は水を含んだスラリー状であり、フェロシアン化物の存在により放射線照射による水の分解に起因する水素の生成に影響を与える可能性が考えられる。また、フェロシアン化物は、その構造にシアンを含むことから、分解によりシアンが放出される可能性がある。そこで、水に浸漬させた状態でフェロシアン化ニッケルカリウム(KNiFC)に$^{60}$Coによる$\gamma$線を照射し、水素やシアンの発生量を測定し、KNiFCの放射線分解について調査した。本試験の結果、KNiFCの存在により水素のG値が増大することを確認した。よって、KNiFCを貯槽等で保管する場合には掃気により水素濃度を減少させることが必要である。なお、Csの吸着の有無は水素の発生に影響しないことについても確認した。また、6MGyの照射により、溶液中にシアンが検出されたものの、その生成量は1.3mg/Lと十分に低い濃度であり、ガス化したシアン化水素は検出されなかった。