2019年4月 - 2022年3月
線型・非線型・連続・差分にまたがるストークス現象
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
パンルヴェ方程式の接続問題・大域解析について主に研究してきた。昨年度に引き続き,高階 (q-)パンルヴェ方程式の接続問題について考察した。本年度も研究が遅れており,年度内に完成させるには至らなかったが,高階 q-パンルヴェ方程式に関しても,2階の古典的な微分パンルヴェ方程式と同様にq-超幾何函数の接続公式を用いてq-パンルヴェ方程式の接続問題を解くことができるという当初の計画には間違いないものと考えているが,残念ながら完成に至っていない。10月の数理研の研究会で報告できる範囲の結果を報告した。
手法としては,q-パンルヴェ函数の原点の周りの解を解析して,変数を原点への極限に持っていくとq-パンルヴェ方程式を定める線型系(Lax対)が2つのq-超幾何方程式に分離するので,その分離の仕方に自由度が現れ,また,分離した2つのq-超幾何方程式を繋ぐ接続係数が表れる。古典的な2階の場合は,自由度がそれぞれ1つずつで明確だったが,高階の場合は自由度が増える(4階のq-藤・鈴木系の場合であれば2つずつ)ので,問題点と言えるのはこの部分であるが、まだ完成していない。
また、ブリオ・ブーケ型の理論のq-類似が完成されてないのも一因である。こうして、未解決の問題については整理されてきたので、2022年度には完成させつつ新たな発展を目指す。
また,本研究とは直接の関係はないが津田塾大学で行われた第31回数学史シンポジウムで「楕円函数と Painleve 性について」という題で講演を行い,歴史的にパンルヴェ方程式が発見された背景について解説した。直接の関係はないにしろ,楕円函数とパンルヴェ方程式は密接に関係するものであり,楕円漸近解析とも思想的には繋がるものである。今回あらためて原点に立ち返る機会を得て,この報告自体も今後のさまざまな研究に参考になると思っている。
手法としては,q-パンルヴェ函数の原点の周りの解を解析して,変数を原点への極限に持っていくとq-パンルヴェ方程式を定める線型系(Lax対)が2つのq-超幾何方程式に分離するので,その分離の仕方に自由度が現れ,また,分離した2つのq-超幾何方程式を繋ぐ接続係数が表れる。古典的な2階の場合は,自由度がそれぞれ1つずつで明確だったが,高階の場合は自由度が増える(4階のq-藤・鈴木系の場合であれば2つずつ)ので,問題点と言えるのはこの部分であるが、まだ完成していない。
また、ブリオ・ブーケ型の理論のq-類似が完成されてないのも一因である。こうして、未解決の問題については整理されてきたので、2022年度には完成させつつ新たな発展を目指す。
また,本研究とは直接の関係はないが津田塾大学で行われた第31回数学史シンポジウムで「楕円函数と Painleve 性について」という題で講演を行い,歴史的にパンルヴェ方程式が発見された背景について解説した。直接の関係はないにしろ,楕円函数とパンルヴェ方程式は密接に関係するものであり,楕円漸近解析とも思想的には繋がるものである。今回あらためて原点に立ち返る機会を得て,この報告自体も今後のさまざまな研究に参考になると思っている。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K03566
- 体系的課題番号 : JP19K03566
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
13-
Various problems in microlocal analysis and asymptotic analysis 2023年11月9日 招待有り
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Painleve Equations: From Classical to Modern Analysis 2022年10月26日 招待有り
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2022年度函数方程式論サマーセミナー 2022年8月10日
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第31回数学史シンポジウム 2021年10月17日 佐藤文広; 中屋敷厚 招待有り
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Exact WKB Analysis, Microlocal Analysis, Painlevé Equations and Related Topics 2021年10月14日 招待有り
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Web-seminar on Painleve Equations and related topics' 2021年2月10日
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Analytic theory of differential and difference equations dedicated to the memory of Andrey Bolibrukh 2021年1月29日 招待有り
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Kobe Seminar on Integrable Systems 2020年7月22日 招待有り
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超幾何方程式研究会 2020 2020年1月4日
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2019日本数学会秋季総合分科会 2019年9月17日