共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

線型・非線型・連続・差分にまたがるストークス現象

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K03566
体系的課題番号
JP19K03566
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

パンルヴェ方程式の接続問題・大域解析について主に研究してきた。昨年度に引き続き,高階 (q-)パンルヴェ方程式の接続問題について考察した。本年度も研究が遅れており,年度内に完成させるには至らなかったが,高階 q-パンルヴェ方程式に関しても,2階の古典的な微分パンルヴェ方程式と同様にq-超幾何函数の接続公式を用いてq-パンルヴェ方程式の接続問題を解くことができるという当初の計画には間違いないものと考えているが,残念ながら完成に至っていない。10月の数理研の研究会で報告できる範囲の結果を報告した。
手法としては,q-パンルヴェ函数の原点の周りの解を解析して,変数を原点への極限に持っていくとq-パンルヴェ方程式を定める線型系(Lax対)が2つのq-超幾何方程式に分離するので,その分離の仕方に自由度が現れ,また,分離した2つのq-超幾何方程式を繋ぐ接続係数が表れる。古典的な2階の場合は,自由度がそれぞれ1つずつで明確だったが,高階の場合は自由度が増える(4階のq-藤・鈴木系の場合であれば2つずつ)ので,問題点と言えるのはこの部分であるが、まだ完成していない。
また、ブリオ・ブーケ型の理論のq-類似が完成されてないのも一因である。こうして、未解決の問題については整理されてきたので、2022年度には完成させつつ新たな発展を目指す。
また,本研究とは直接の関係はないが津田塾大学で行われた第31回数学史シンポジウムで「楕円函数と Painleve 性について」という題で講演を行い,歴史的にパンルヴェ方程式が発見された背景について解説した。直接の関係はないにしろ,楕円函数とパンルヴェ方程式は密接に関係するものであり,楕円漸近解析とも思想的には繋がるものである。今回あらためて原点に立ち返る機会を得て,この報告自体も今後のさまざまな研究に参考になると思っている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K03566
ID情報
  • 課題番号 : 19K03566
  • 体系的課題番号 : JP19K03566

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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