共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2024年3月

脳・認知・身体と言語コミュニケーションの発達:定型・非定型発達乳幼児コホート研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
19H05594
体系的課題番号
JP19H05594
配分額
(総額)
191,490,000円
(直接経費)
147,300,000円
(間接経費)
44,190,000円

本研究は自閉スペクトラム症を主とする発達神経症(以下発達障害)のリスクを持つ乳児(リスク児)と定型発達児を対象として,月齢3ヶ月時期から3,4歳までの脳機能,知覚・認知機能,運動機能を縦断計測するコホート研究である。特に言語コミュニケーションに困難性を持つリスク児と定型児の発達過程を比較することで次の2点を明らかにすることを目的とする。(1)発達初期の脳機能結合を含めた脳機能発達,そして知覚,認知,身体運動機能の各発達特性と言語コミュニケーション獲得との関係性の解明。これによりヒト言語機能の脳内基盤やその成立を可能にする認知的要因を明らかにする。(2)本研究の縦断実験で得た脳機能,知覚,認知,運動データから,後の発達障害を予期する因子を抽出する。
以上の目的のために,本研究は定型発達児,ASD診断のついた兄や姉を持つリスク乳児,35週未満で生まれた早産児を対象として,新生児時期,3,6,9,12,18,24ヶ月時,3,4歳時の縦断研究を行っている。
2020年も同様に乳幼児,保護者を対象とし,行動実験,脳機能実験を継続実施してきた。ただしコロナ禍で新たな縦断研究参加児はわずかであった。縦断研究には脳機能実験(fNIRS),行動実験(アイカメラ, 母子相互作用の行動コーディング,共同注意,運動観察),発達検査などが含まれるが,これらのデータはこれまでのものともあわせて横断的,縦断的解析が可能になった際に適宜,解析を行ってきており,母子相互作用の行動特徴,新生児時期の安静状態脳機能結合など様々な解析をすませ,成果は国際会議や招待講演などでも報告してきた。論文化も同時に進めてきている。2020年度もコロナ禍で実験は当初の目的通りには進まなかったが,その代わりにこれまで得てきた実験データの解析を当初の予定よりも広く深く行うことができ,目的以上の成果が得られた。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-19H05594/19H05594_saitaku_shoken_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H05594
ID情報
  • 課題番号 : 19H05594
  • 体系的課題番号 : JP19H05594