2015年9月
$\gamma$線照射下における希釈海水を含むゼオライト中ステンレス鋼の局部腐食挙動
日本原子力学会和文論文誌
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- 巻
- 14
- 号
- 3
- 開始ページ
- 181
- 終了ページ
- 188
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3327/taesj.J14.030
- 出版者・発行元
- Atomic Energy Society of Japan
福島第一原子力発電所事故の汚染水処理に用いた使用済み吸着塔の局部腐食発生条件に関する基礎的検討として、$\gamma$線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。ステンレス鋼の自然浸漬電位は$\gamma$線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従いその定常自然浸漬電位が上昇した。一方、ゼオライト共存系では$\gamma$線照射下の電位上昇が抑制された。この電位上昇は、主に放射線分解で生じるH$_{2}$O$_{2}$濃度の増加によるものであることを明らにした。ゼオライトは$\gamma$線照射により生成するH$_{2}$O$_{2}$を分解し、その電位上昇が抑制されることを明らかにした。ステンレス鋼の局部腐食発生電位は、照射の有無、ゼオライトの種類や接触により大きく変化しないことから、ゼオライト共存は$\gamma$線照射下において定常自然浸漬電位を低下させ、局部腐食発生リスクを低減できることが期待できることを明らかにした。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3327/taesj.J14.030
- ISSN : 1347-2879
- CiNii Articles ID : 130005078469