2005年
クロロフィル合成酵素8-ビニルレダクターゼ遺伝子の同定と機能解析
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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- 巻
- 46
- 号
- 0
- 開始ページ
- S89
- 終了ページ
- S89
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究発表ペーパー・要旨(国際会議)
- DOI
- 10.14841/jspp.2005.0.261.0
- 出版者・発行元
- 日本植物生理学会
クロロフィル<I>a</I>の合成経路は様々な生物で広く研究され、クロロフィル合成を触媒する酵素や遺伝子に関しても多くが同定されている。しかし、その中で高等植物の3,8-ジビニルプロトクロロフィリド<I>a</I> 8-ビニルレダクターゼ(DVR)だけが同定されていない。<br>私たちはEMS処理によってモノビニルクロロフィルではなく、ジビニルクロロフィルを蓄積するシロイヌナズナの変異株を単離した。この変異株のクロロフィル色素がモノビニル型からジビニル型へ変化したのは、変異株がDVR活性を欠損したからであると考えられる。<br>変異株のポジショナルクローニングから同定した遺伝子は、5番染色体上にあり、NADPH依存型酵素のアミノ酸配列に類似していた。同定した野生型の遺伝子を変異株へ導入したところ、変異株の表現系は相補された。また、同定した遺伝子由来の大腸菌発現タンパク質は、ジビニルクロロフィリドからモノビニルクロロフィリドへの還元を触媒する、DVR活性を示した。<br>これらの結果から、シロイヌナズナ変異株の原因遺伝子は、クロロフィル合成系の<I>DVR</I>遺伝子であることが明らかになった。また、シロイヌナズナの<I>DVR</I>遺伝子が同定したことから、私たちは光合成色素としてジビニルクロロフィルを利用する、原核緑藻プロクロロコッカスの進化についても考察する。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14841/jspp.2005.0.261.0
- ISSN : 0032-0781
- CiNii Articles ID : 130006988288
- identifiers.cinii_nr_id : 9000391924864
- Web of Science ID : WOS:000228104100354