本研究は、国民健康・栄養調査のデータを二次利用し、日本人高齢者の社会参加と身体的虚弱の関連を明らかにすることを目的とした。対象者は、身体活動の重点調査年であった平成18年の国民健康・栄養調査に協力した65歳以上の2,323名とした。身体的虚弱の評価は、Friedらのフレイルの定義を考慮し、1)体力が低い、2)やせている、3)歩数が少ない、4)歩行速度が遅い、の4項目のうち、3項目以上該当した場合とした。社会参加は、老人クラブ、ボランティア活動等5項目について評価し、身体的虚弱を従属変数、社会参加を独立変数とした。ロジスティック回帰分析の結果、男女とも社会参加が低い高齢者は、高い高齢者に比べ身体的虚弱である割合が、性、年齢等の個人要因を調整しても有意に高かった(男性OR:1.84,CI:1.02-3.30,女性OR:2.43,CI:1.51-3.90)。本研究の結果より、日本人高齢者において、社会参加を促進することは、身体活動および体力を高い水準で維持し、身体的虚弱を予防する可能性が示唆された。(著者抄録)