固体酸化物燃料電池のプロトン伝導性電解質の性能はプロトンの溶解反応、物質移動などの欠陥反応に支配される。そのため点欠陥形成挙動を定量的に把握し、材料設計を行うことが重要である。本研究では代表的な酸化物プロトン伝導体であるBaZrO3に着目し、第一原理計算を用いて雰囲気、温度の変化に伴う熱平衡濃度の定量的な算出を行った。BaZrO3のプロトン濃度は、化学量論組成に大きく依存するため陽イオン比の適切な制御が必要であることが定量的に示され。またアクセプター添加元素の違いによりプロトンの束縛エネルギーが大きく変化し、元素の選択によりプロトン伝導に寄与する有効キャリア濃度が大きく減少することが示された。