2005年 - 2006年
イオニクス材料における反応素過程の量子力学シミュレーションと材料設計
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特定領域研究 特定領域研究
- 課題番号
- 17041007
- 体系的課題番号
- JP17041007
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 7,100,000円
- (直接経費)
- 7,100,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
固体酸化物燃料電池におけるフロトン伝導性電解質一電極界面における欠陥化学反応と電子状態に関する知見を得るため,BaZrO3(001)-Pt(001)界面を取りあげて第一原理計算による検討を行った.具体的には,様々な終端面を有する整合界面モデルについて第一原理PAW法による原子・電子構造の最適化計算を行い,界面のエネルギーと原子・電子構造及び化学結合状態の解析を行った.さらに,これらの界面に酸素空孔及び格子間プロトンを導入し,その形成エネルギーを粒内モデルと比較して評価した.その結果,界面がBaO終端の場合はPtがBa及び0上に位置する構造が安定であり,ZrO2終端の場合はPtが0上のみに位置する構造が安定であることがわかった.また,これらの中で最低の界面エネルギーを示したBaO終端界面について,電子レベルでの詳細な解析を行った結果,界面ではその直上においてPt-0結合に由来した局在電子状態が形成されることがわかった.この界面における酸素空孔及び格子間プロトンは粒内に比べてかなり低い形成エネルギーを持ち,強い偏析傾向を示すことが判明した.一方,プロトンを導入するために添加されるYドーパントについては,粒内に対して大きなエネルギー差は見られなかった.これは,界面における特有なPt-0結合に由来して酸素の状態が大きく変化し,その酸素の空孔やそれに結合した格子間プロトンが直接的な影響を受けたためと解釈できる.この結果は,界面直上では粒内と異なった欠陥化学反応が進行することを意味しており,ナノ・サブナノスケールでの界面制御の重要性を示している.
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 17041007
- 体系的課題番号 : JP17041007