共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

自己末梢血単核球増幅細胞を用いた脂肪組織移植生着率の向上のための基盤技術開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K10014
体系的課題番号
JP19K10014
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

乳がん患者乳房切除術後の乳房再建成績向上による患者QOL改善のため、脂肪組織とともに血管形成を誘導する自己末梢血単核球生体外増幅(MNC-QQ細胞)を移植することで移植組織内に酸素、栄養の供給を行い、移植脂肪組織生着率の向上を目的とする。
本年度は、昨年度検討の検討よりマウス血管内皮前駆細胞であるKSL(c-kit陽性, Sca-1陽性, Lineageマーカー陰性)細胞をQQ培養へ供したマウス生体外増幅血管内皮前駆細胞(KSL-QQ)を用いた予備的試験として移植脂肪組織のボリューム、移植部位、移植細胞数等を決定した。その後移植法の検討としてC57BL/6マウス背部へ脂肪組織及び脂肪組織へ同系GFP+マウス由来のKSL細胞、QQ培養に供したKSL-QQ細胞、マウス脂肪組織由来間葉系幹細胞である脂肪幹細胞ASCをそれぞれ混合した組織を移植し経過を観察し解析を行った。この結果、KSL-QQ細胞を脂肪組織と共に移植した群において脂肪移植のみ、KSL細胞群、ASC群との比較において移植組織における生着率向上、血管密度向上及び新生血管内GPF陽性KSL-QQ細胞取込、脂肪組織の質向上、線維化抑制、炎症抑制が観察された。以上より脂肪移植時にマウスKSL-QQ細胞を混合し移植する方法が脂肪再建術成績向上に寄与する可能性が示された。次年度以降のヒト脂肪組織の使用に向けて、脂肪除去術などで廃棄される脂肪組織及びヒト末梢血単核球を研究使用するため研究計画書、同意説明文書等を作成、本学附属病院倫理委員会へ提出、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づく審査の上、実施の承認を受けており、既に脂肪組織の調製法、適切な免疫不全マウスを選択などについて予備的実験を開始している。
次年度以降、ヒト脂肪組織と各種幹細胞の混合した組織移植を行い、ヒト脂肪移植の生着率向上効果を検証する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10014
ID情報
  • 課題番号 : 19K10014
  • 体系的課題番号 : JP19K10014