共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

主観強度のリアルタイム測定手法を用いた自己移動感覚の時間特性の実験的検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K14486
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

観察者が視野内に提示された運動刺激を観察している際に,自身が移動したと感じる感覚(ベクション)の強度について,刺激提示中のベクションの主観強度をリアルタイムで連続的に報告させる測定手法を構築し,知覚されるベクション強度の時間的推移の特性について検討する.本年は,購入した実験装置を用いて,観察者が刺激観察中にマウスデバイスを操作することによって,感じたベクション強度をリアルタイムで定量的に報告することが可能となる手法を構築した.加えて,多くのベクションの先行研究で用いられている,観察者の視野中心部から周辺部にかけて円形状の縞刺激が拡散していく運動刺激を観察者に提示し,その刺激速度等の複数の刺激パラメータを実験的に操作することによって,今後の検討のベースラインとなる基本的なデータを取得した.
これに加え,視野内を運動する視覚対象の知覚・認知に関する,人間の運動視機能の時間特性についても併せて実験的に検討した.視野内を運動する視覚物体に対して,運動を知覚できる時間限界と,同一物体として追跡可能な時間限界を心理学実験によってそれぞれ測定し,その限界値を基に,視覚運動物体の知覚・認知に関与する,人間の視覚運動処理のメカニズムを明らかにした.こうした人間の運動視機能の時間特性に関する基礎的データを,本研究課題における実験刺激のパラメータ調整等に役立てていく.

ID情報
  • 課題番号 : 19K14486