基本情報

所属
早稲田大学 文学部・文化構想学部 講師(非常勤)
学位
博士(文学)(早稲田大学)

連絡先
ptyxaoni.waseda.jp
研究者番号
20749551
J-GLOBAL ID
201401070358367409
researchmap会員ID
B000237031

フランス19世紀末の詩人ステファヌ・マラルメの研究から出発して、博士論文と単著『マラルメの辞書学』では、『英単語』(1878)や「音楽と文芸」(1894)を中心に扱い、「人文学」(≒人文教育)の近代化の時代に、作家の側から人文学の再構築を試みたマラルメの活動を分析しました。
そうしたマラルメのプロジェクトには、次のような問いを含む少なくとも6つの視座を見て取ることができます。
(1)近代文学の読み書きの手続きをどのように共有・伝達してゆくか
(2)伝統的な作品形式以外に、どのような作品形式がありうるのか
(3)「読む」とか「書く」とはどういう行為なのか
(4)文学は、遊びやゲームとどのように関係するのか
(5)小説と詩はそれぞれどのように情動をかき立てるのか
(6)文学には、人間にとってどのような意味があるのか。
以上の視座を、現代の言葉で整理すると、次のようになるのではないでしょうか。

①教育論(人づくりの制度設計)
②作品論(作品の存在論/作品の法制度論)
③読書論(読書の文化史/読字の認知研究)
④遊戯論(ゲームを含む他の諸芸術と文学の遊戯性の分節化)
⑤情動論(情動の表象文化論/情動の科学研究)
⑥価値論(文学の価値論/人生の意味論・幸福論/政治論/環境論)

これら6つの視座から、マラルメ自身が何をどのくらい達成できているかをひとまず検証するのが、現在の私が進めている研究ですが、最近は、他の作家も射程に入れ、マラルメのプロジェクトを、19世紀末のフランス社会のなかに、より詳細に位置づけながら考察する準備が整いつつあります。

他方で、私は、人文学的見地を理論の面で深める作業にも関わっています。
分析哲学における「文学の哲学」の議論も参照しつつ、主にフランスの哲学思想のなかで散見される“人文学の哲学”を、思想家ごとに閉じない形で、提示してゆきたいと考えています。

経歴

  5

論文

  12

MISC

  16

書籍等出版物

  17

講演・口頭発表等

  21

Works(作品等)

  1

共同研究・競争的資金等の研究課題

  4

その他

  3