地殻流体の存在を考慮した地殻変動シミュレーションの試み
日本地球惑星科学連合2018年大会(JpGU 2018)
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- 開催年月日
- 2018年5月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 千葉
- 国・地域
- 日本
日本列島における地殻変動は空間的に一様ではなく、プレートの沈み込みに代表されるプレート間相互作用や、地殻内の物性不均質に支配されている。特に、地質学的時間スケールのような長期に及ぶ地殻変動のシミュレーションを行う場合、地下の温度構造や、最近明らかにされつつある地殻流体の存在に伴う粘弾性不均質を考慮した解析を行い、地殻の非弾性変形を検討することが重要となる。本発表では、上記の地殻流体の存在に焦点を当てた地殻変動のシミュレーションとして、2011年に茨城県・福島県県境で発生した群発地震をターゲットに二次元のシミュレーションを行い、地殻応力場と隆起について再現を試みた。さらに、二つ目の事例として、比較的若い時代に変動が開始したとされる九州南部のせん断帯をターゲットに、三次元のシミュレーションを行い、同領域で生じているせん断ひずみ速度の高い領域の再現を試みた。その結果、流体分布域の周辺において観測された局所的な地殻変動と調和的な傾向がシミュレーションにより定性的に再現された。このことは、地殻内の流体がその周辺の地殻変動に関与していることを示唆する。