MISC

2005年4月

Am含有MOX燃料の焼結に及ぼす酸素ポテンシャルの影響

JNC TN9400 2005-023
  • 三輪 周平
  • ,
  • 逢坂 正彦
  • ,
  • 吉持 宏
  • ,
  • 田中 健哉
  • ,
  • 関 崇行*
  • ,
  • 関根 伸一*

開始ページ
43
終了ページ
記述言語
日本語
掲載種別
機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等

高酸素ポテンシャルを有するAm含有MOX燃料の焼結に及ぼす酸素ポテンシャルの影響について実験的評価を実施した。粉末冶金法により成形体を作製し、焼結時の酸素ポテンシャルをパラメータとして焼結試験を実施し、(U$_{0.68}$Pu$_{0.27}$Am$_{0.05}$)O$_{2}$について密度測定、金相観察及びEPMAによる元素分布測定を実施した。 焼結時の降温時1700 $^{\circ}C$、800 $^{\circ}C$及び150 $^{\circ}C$において加湿の停止により酸素ポテンシャルを低下させた焼結体においては、800 $^{\circ}C$にて酸素ポテンシャルを低下させた焼結体において高密度且つ良好な組織の焼結体が得られた。1700 $^{\circ}C$及び150 $^{\circ}C$にて酸素ポテンシャルを低下させた焼結体においてはクラックが生じた。 酸素ポテンシャルをそれぞれ-520 kJ/mol、-390 kJ/mol及び -340 kJ/molで焼結した焼結体においては、かさ密度は-520 kJ/mol $\sim$ -390 kJ/molの範囲で酸素ポテンシャルの増加に伴って増加する傾向であるが、-390 kJ/mol近傍のある酸素ポテンシャル以上の雰囲気で焼結した焼結体においては密度が低下した。組織観察及び画像解析の結果、密度の低下は酸素ポテンシャルの違いによる気孔構造に起因することが明らかとなった。これは高酸素ポテンシャルを有する(U,Gd)O$_{2}$と類似した挙動であり、この機構を参考にU、Pu及びAmの酸素ポテンシャルによる原子拡散の変化の観点から、それら各元素の挙動変化が気孔構造変化に及ぼす影響について考察を行い、(U$_{0.68}$Pu$_{0.27}$Am$_{0.05}$)O$_{2}$の焼結挙動について解釈を行った。尚、酸素ポテンシャルの違いによる結晶粒径及びU、Pu及びAmの均質性の違いは見られなかった。 1500 $^{\circ}C$、1600 $^{\circ}C$及び1700 $^{\circ}C$で焼結したAm含有MOX焼結体においては高密度で良好な組織の焼結体が得られ、焼結温度を低く抑えられる可能性が示された。

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