共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

FUSR495X変異体による結合RNAを介したALS発症分子機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K07361
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

核内RNA結合分子であるFUSは筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因因子であることが知られている。特に家族性ALS患者で認められる変異型FUSは細胞内において凝集体を形成し毒性を持つと考えられている。しかしながら、その凝集体生成分子機構及び細胞毒性に関する分子機構は明らかではない。これまでの研究において、家族性FUS変異体である、R495X(495番目のアルギニンは終止コドンに変異している)を発現させたマウスES細胞由来神経細胞を用いて、網羅的遺伝子発現、タンパク質発現解析を行った結果、ミトコンドリア異常が引き起こされていることを見出した。しかしながら、その分子機構は明らかではなかったことから、本研究ではR495Xの分子内領域に着目し、その機能とミトコンドリア異常との関連性について明らかにすることを目的とした。本年度は、これまで予備的に見出していた、凝集体形成及び神経細胞毒性に関与する領域の更なる特定を試み、R495Xによる神経細胞死誘引機構を同定した。それらの解析結果から、R495Xによる細胞毒性の表出には、まずR495Xが細胞質に局在し、ある分子内領域を介して凝集体を形成する。更に、別の分子内領域にRNAが結合することで神経細胞死を引き起こす、というモデル分子機構が考えられた。これらの結果を基に、同領域に結合するRNAの特定、細胞内RNA及びタンパク質の網羅的変化を明らかにするため、現在CLIP-seq, RNA-seq, Ribo-seq用のライブラリ作成を行っている。

ID情報
  • 課題番号 : 18K07361

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