共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

帝王切開で出生する新生児における出生直後のプロバイオティクス口腔内投与の有効性

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)
  • 久田 研
  • ,
  • 大日方 薫
  • ,
  • 堀 賢

課題番号
20K08235
体系的課題番号
JP20K08235
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

帝王切開で出生した新生児の腸内細菌叢は、経腟分娩で出生した新生児の腸内細菌叢と異なる。そして、大規模な出生コホート研究から、帝王切開での出生が、肥満・アレルギー疾患・糖尿病などの発症リスクになることも示されてきた。そして、我々は、近年、出生した新生児が、母体の腸内細菌叢を継承し、正常な腸内細菌叢を確立するためには、出生時の口腔内液が重要であることを証明した。
そこで、腸内細菌叢に対して負の影響を及ぼす帝王切開で出生予定の新生児に対して、生直後から新生児の口腔内にビフィズス菌を投与し、正常な腸内細菌叢を誘導する研究を計画した。単施設の産科施設に協力を依頼し、ランダム化二重盲検並行群間比較試験を開始している。産科にて予定帝王切開が予定されている妊娠女性に対してリクルートを行い、妊娠36週時点の胎児の推定体重をもとに層別置換ブロック法を用いてランダム化し、プロバイオティクス食品およびプラセボ食品(賦形剤デキストリン)の二重盲検での割り付けを行っている。症例登録された母体および新生児に対して割付け食品を出生直後と日齢1・2に内服させ、産科退院時に採便、採尿を行い、専用容器で冷凍保存している。また、1か月健診時および3か月時に栄養調査および採便、採尿を同様に行い、専用容器で冷凍保存を行っている。
現在、38名がエントリーされ、生後の試験食品の内服ならびに検体収集が開始されている。集められた検体は、現在-80℃で保管され、一定数を越えたのちに、16SrRNAシーケンスによる腸内細菌叢解析やQuantitative PCRによるビフィズス菌数や投与菌の定量解析、便の生化学解析を予定している。また、代謝産物について尿メタボローム解析を予定している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K08235
ID情報
  • 課題番号 : 20K08235
  • 体系的課題番号 : JP20K08235