2013年3月
ベルギー・西フランデレン州ワトウ地区におけるフード・ツーリズムの重層構造モデル
観光科学研究
- ,
- 巻
- 号
- 6
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 15
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域
本研究は,菊地(2008)によって示されたポスト生産主義的なルーラル・ツーリズムのフレームワークとしてのフード・ツーリズムの重層構造モデルを,ベルギーにおける農村集落のワトウ地区を事例として実証することを目的とする。フード・ツーリズムのフレームワークは,従来のルーラル・ツーリズムのフレームワークを生活文化や食文化,あるいは美食文化にまで拡張させたものであり,地域資源を活用した持続的なツーリズムとして,地理学や観光学をはじめとするさまざまな分野において注目されている。そこで本研究においては,観光対象の分布や土地利用に関する調査といった現地でのフィールドワークから得られたデータに基づいてフード・ツーリズムのモデルの検証を行った。その結果,ワトウ地区においては,ホップ栽培などの農村景観を対象とする原初的なルーラル・ツーリズムの空間から,よりツーリズム対象が「食」に収斂していくグルメ・ツーリズムの空間にかけての 段階のツーリズム空間が存在していることが明らかになった。これらの空間が観光資源として相互に関連することで,重層的なフード・ツーリズムの構造は持続的なものとなり,そのことがワトウ地区の活性化や農村の持続性に大きく貢献していた。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/120005269184
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12343826
- ID情報
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- ISSN : 1882-4498
- CiNii Articles ID : 120005269184
- CiNii Books ID : AA12343826
- identifiers.cinii_nr_id : 9000237991584