2011年9月1日
骨折部で髄腔閉鎖を認めた非定型的大腿骨骨幹部骨折の1例
中部日本整形外科災害外科学会雑誌
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- 巻
- 54
- 号
- 5
- 開始ページ
- 951
- 終了ページ
- 952
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- (一社)中部日本整形外科災害外科学会
63歳女。転倒後に歩行困難となった。8年前よりアレンドロネート服用中で、先行する鼡径部?大腿部痛の訴えはなく、単純X線写真では左大腿骨骨幹部短斜骨折(AO32-A3)と骨皮質の肥厚、髄腔の狭小化を認めた。受傷後4日目に髄内釘挿入術を行った際、近位骨折部と遠位骨折部に皮質骨による閉鎖を認めたため、閉鎖部の骨組織を除去して髄内釘を挿入した。病理組織像に骨回転の上昇や低下を示唆する所見はなく、超音波骨折治療を行うも術後8ヵ月経過時点で骨癒合は得られていない。本症例ではビスホスホネート製剤の長期内服により骨代謝が抑制され、骨皮質の肥厚と骨質の脆弱性からmicrofractureの蓄積と髄腔の閉鎖をきたし、低エネルギー外傷により大腿骨骨幹部骨折を生じたと考えられた。
- ID情報
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- ISSN : 0008-9443
- eISSN : 1349-0885
- 医中誌Web ID : 2012094678