共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

道徳の規範性の説明を通じた自然主義的なメタ倫理説の擁護

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K12938
体系的課題番号
JP19K12938
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,990,000円
(直接経費)
2,300,000円
(間接経費)
690,000円

21年度は20年度に実施した研究成果の一部が国内の研究誌に掲載された。また、9月からは国際共同研究強化(A)の実施のために渡英し、オックスフォード大学のOxford Uehiro Centre for Practical Ethicsを研究拠点として研究に従事した。その中で、本研究課題と大きな関りを持つ道徳的説明に関する英語論文を数本書き上げ、海外ジャーナルに投稿した。
21年度の研究成果としては主に以下の2点を挙げることができる。
一点目として、20年度より取り組んできた道徳的判断に関する数種類の暴露論証を検討することのより、近年の実証的研究に訴えるメタ倫理における議論は本研究課題の主要なテーマである自然主義的な道徳的実在論擁護のために有効に働くことを確認することができた。
二点目として、長年取り組んできた道徳的説明に訴える論証について、これまでのメタ倫理学における議論を批判的に検討した上で、この論証の問題点を明らかにするとともに、これまで提案されてこなかった新たな議論を構築することができた。具体的には、①道徳的説明のタイプの明確化、②道徳的説明の被説明項の精緻化、③関係する諸科学の知見への言及、この三点に目配りを効かせた議論の構築を提案し、その成果を論文にまとめることができた。
特にこの二点目の成果について、道徳的説明に訴えて自然主義的な道徳的実在論を擁護するという論法は、1980年代から提案されてきた古典的な方法ではあるが、その成否については専門家の間でも未だに意見が分かれている。この論法に関する新たな提案を構築することができたことは、本研究の中核を担う成果となることが予想される。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K12938
ID情報
  • 課題番号 : 19K12938
  • 体系的課題番号 : JP19K12938

この研究課題の成果一覧

論文

  5

MISC

  2

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  13