2015年6月
「真如堂における十夜法要と双盤念仏―僧侶の念仏から世俗の鉦講へ」
『宗教と社会』
- 巻
- 号
- 第21号
- 開始ページ
- 49
- 終了ページ
- 63pp
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 「宗教と社会」学会
真如堂は,正しくは鈴聲山眞正極楽寺といい,京都市左京区にある天台宗の古刹である。ここで11月5日から15日にかけて行なわれる十夜法要は,全国の十夜法要の元祖とされている。本稿では,まずその由緒を検討し,伊勢貞国だけでなく伊勢貞経に由緒を求める説があったことを示した。次に,十夜の歴史的展開として,16世紀後半には京都で十夜法要はよく知られており,17世紀後半には十夜法要の元祖が真如堂であると知られていたことを示した。そして,真如堂の十夜法要では,17世紀には僧侶が導師となって鉦を叩き,聴衆が共に念仏をする形式であったこと,18世紀初頭から様々な講が組織され,18世紀後半には鉦講が成立して十夜法要で演奏をするようになったと示した。これまでの研究では,楽器の双盤の記年銘によって民俗芸能としての双盤念仏があったとする傾向が強かった。しかし,鉦講の組織化や芸態を示す史料を重要視する場合もあり,本稿でも鉦講の組織化と演奏の記録を重要視した。
- リンク情報
-
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/40020527359
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11333281
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/026593825
- ID情報
-
- ISSN : 1342-4726
- CiNii Articles ID : 40020527359
- CiNii Books ID : AA11333281