共同研究・競争的資金等の研究課題

2006年 - 2007年

蚊アレルギー患者におけるEBウイルス感染NK 細胞増殖症に対する分子標的療法の開発

科研費  基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18591257
体系的課題番号
JP18591257
担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

EBウイルスが感染したNK/T細胞(EBV-NK/T)増殖症では,しばしば蚊刺に対する激しい局所反応と,発熱、リンパ節腫張、肝脾腫などの全身反応を呈する「蚊アレルギー」と呼ばれる症状が見られることが知られている。我々は,これまでに蚊アレルギーを呈したEBV-NK/T増殖症患者について,ヒトスジシマカ唾液腺抗原刺激がCD4(+)T細胞を活性化し,この活性化CD4(+)T細胞が,EBV-NK/Tに作用し,ウイルス発癌遺伝子LMP1の発現を増強してEBV-NK/Tの増殖を亢進させることをみいだした。今回の研究では,EBV-NK/Tの腫瘍化に重要な役割を果たしていると考えられるLMP1のmRNAを標的とするsiRNAを作製し,この分子をEBV-NK/Tに導入することにより,LMP1を阻害し,この分子の機能解析を進めるとともに,LMP1を標的分子とする治療法の開発をめざすことを目的とした。まず,siRNA導入用試薬としてOligofectamineを用い,蛍光標識されたsiRNAのリンパ球へのトランスフェクションを種々の条件で試み,至適なトランスフェクション条件を決定した。また,LMP1遺伝子を抑制するためのsiRNAの候補を設計して,我々が決定した至適導入条件を用いて,EBV-NK/TへのLMP1-siRNAの導入実験を行った。しかし,LMP1-siRNA導入によるLMP1mRNAの発現阻害効果は再現性に乏しく,細胞増殖の有意な抑制効果も確認できなかった。そこで,遺伝子導入用試薬をrimaPort(CREDIA JAPAN)に変更したところ,導入効率が向上し,LMP1 mRNAの発現阻害効果も確認できた。しかし現在のところ,LMP1-siRNAの導入により,EBV-NK/Tの明らかな増殖抑制効果は認められていない。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18591257
ID情報
  • 課題番号 : 18591257
  • 体系的課題番号 : JP18591257