共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

読みの過程の言語普遍性:漢字語音読における拍数効果とそのメカニズムに関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K00609
体系的課題番号
JP20K00609
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究は,他言語の「読み」の過程で認められているシラブル数効果(同じ文字数を持つ語でもシラブル数が長ければパフォーマンスが悪くなる)が日本語でも認められるかを音読課題により検証し,この日本語における拍数効果が,言語処理過程のどのレベルで発現しているのかを文字判断課題,カテゴリー判断課題,絵の命名課題を用いて検討することを目的とする.初年度の令和2年度は,日本語の音読における拍数効果を検討するため,拍数を操作した漢字一文字語の音読課題の予備実験を実施した.拍数と読みやすさ(出現頻度と心像性を利用)を操作した刺激語(拍数3条件(1拍,2拍,3拍)および読みやすさ2条件(易読,難読))を用いた結果,難読条件において音読潜時に拍数効果が現れ,1,2拍条件に比べて3拍条件で長くなる傾向が認められた.本結果は,出現頻度や心像性値の低い「読みにくい」刺激語を用いれば,拍数効果を検出できる可能性のあることを示唆している.ただし,本結果における拍数効果は,統計的には有意傾向に過ぎなかったため,刺激条件や刺激語を再検討し,改めて実験を実施する必要がある.しかし,新型コロナウィルスの感染拡大により,実験室における対面での実験実施に制限がかかることとなったため,次年度の令和3年度では,非対面での実験実施を実現するため,インターネットを介してオンラインで実施可能なlab.jsを用いた実験装置の作成に注力した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K00609
ID情報
  • 課題番号 : 20K00609
  • 体系的課題番号 : JP20K00609