下原 孝章
基本情報
- 所属
- 九州大学 (筑紫キャンパス) 先導物質化学研究所(グリーンテクノロジー研究教育センター)2024年現在 客員教授 (九州大学)
- 学位
-
Ph. D
- J-GLOBAL ID
- 200901021406585072
- researchmap会員ID
- 0000003725
現在,九州大学において,環境空気中の窒素酸化物,ベンゼン、トルエン類,アルデヒド類,二酸化炭素,PM2.5などを効率よく削減できる炭素材料用いた基礎研究、環境空気の実用的な対策を視野に入れた実証試験、使用後の炭素材料の完全再生について学生指導、研究を続けています。
高活性炭素繊維(ACF)ユニットを道路沿道にフェンスとして設置,自然風を駆動力とする電気不要のシステムを開発しています。このシステムは大気汚染ガス、粉じんを効率よく削減でき,降水による連続再生が可能です。本技術は国土交通省により採択され,大阪,兵庫、東京などに試験施工,また、中国北京市の清華大学正門の構内に試験施工、実証試験が行われました。大阪ガス(株)との共同研究の結果、2013年、愛知県国道23号両側に長さ316m×高さ8m、長さ305m×高さ8mのACF防音壁の大規模施工されています。
現在、国土交通省により東京の大和町交差点で、今後の施工を視野に入れた通年の実証試験が8年間実施され、2022年に取りまとめました。その結果、良好な結果であり、国土交通省では近い将来、使える技術として認定されています。
※ 国内外で最高のHCHO (ホルムアルデヒド)補足能力をもつ低価格の炭素材開発に成功しました。極めて低い製造コストで、加湿条件のもと、高いHCHO捕捉能力、多成分ガスの同時捕捉を実現しています。
例えば、私達が開発した炭素材 0.05gに対して、RH 40-50%のもと、酸素21%を含む10 ppm(10000 ppb)のHCHOを100 ml/minで通気させた時、通気開始から破過までの時間(破過開始時間)は、35~60時間になります。
製造方法は簡易です。無害で低価格の肥料 1~2%水溶液を満たしたユニットバスに炭素材を含浸、乾燥、乾燥するだけです。含浸方法に少しだけノウハウがあります。
浸漬により炭素材の微細孔内に添着した薬剤は微細孔入口を塞がないため、多くのガス成分を同時に高効率で捕捉できます。HCHOの他,ベンゼン,トルエン, NO2、SO2, ダイオキシンなども高効率で長期間、同時捕捉を実現できます。NO2は無害な水と二酸化炭素に分解されます。
この技術では、シリカゲル、ゼオライトなどの多孔質体に添着してもHCHO捕捉能力は弱いことから、炭素材微細孔内のファンデルワールス力によりガスが微細孔内に侵入,濃縮され,孔から排出される過程で,細孔内壁の添着した薬剤に高効率で捕捉されていることが実証できました。
このように、この添着技術は従来の担体の比表面積の広さを利用した単一ガスの捕捉とは大きく異なります。
HCHOの捕捉能力を環境大気分野でよく知られたDNPHカートリッジの能力と比較してみました。このカートリッジは環境大気分野ではよく知られたHCHO捕集材です。カートリッジ内にはDNPHを担持した黄色のシリカゲル粉末が0.35g入っています。このDNPH担持粉末 0.35gに対して,湿度のある同条件で通気した結果では、破過開始時間は約1時間と非常に短時間でした。一方、私達の技術では炭素材0.05gに対して35~60時間と長期間の捕捉を実現しています。
私達の添着技術を施した炭素材は環境では20年以上、室内では30年以上連続使用が可能、使用後の炭素材は簡易に完全再生が可能、廃液処理も簡易です。電気を使わず、自然の空気流れを利用した室内、病院、地下駐車場、地下鉄ホーム、道路沿道などでの使用を提案できます。
本製品の開発、応用、製品化に興味がある会社がありましたら連絡下さい。
2020年1月に特許取得済み
研究キーワード
17研究分野
11経歴
6-
2015年4月 - 現在
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- 2015年3月
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2008年 - 2015年
-
2005年 - 2008年
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2001年 - 2004年
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1992年 - 1998年
委員歴
14受賞
8-
2013年
-
2012年
-
2010年
-
2009年
-
1997年
-
1997年
-
1989年
書籍等出版物
13-
ビルと環境 (No.147) 2014年
-
一般財団法人 日本環境衛生センター 2013年
-
紀伊國屋書店 2013年
-
化学同人 2011年
-
(株)古今書院 2009年
-
学振第117委員会 2007年
-
工業調査会 2003年
-
(株)フジテクノシステム 2003年
-
2000年
-
1992年
講演・口頭発表等
32-
Carbon MaterialS to Save the Earth 2017年9月
-
第42回炭素材料学会年会 2015年12月
-
第56回大気環境学会年会 2015年9月
-
Carbon Materials to Save the Earth 2014年12月 招待有り
-
第55回大気環境学会年会 2014年9月
-
Carbon Materials to Save the Earth 2013, -Materials and Devices for New Energies and Environmental Protection- (Nagasaki, Japan) 2013年11月 招待有り
-
第54回大気環境学会 (新潟) 2013年9月
-
2012年9月 第53回大気環境学会年会・総会 (神奈川)
-
第53回大気環境学会年会 (神奈川) 2012年9月
-
第53回大気環境学会年会 (神奈川) 2012年9月
-
第51回大気環境学会年会 (大阪) 2012年9月
-
Japan-China Joint Symposium on Green Materials, (Tsinghua University, Beijing) 2012年7月 招待有り
-
第52回大気環境学会年会 (長崎) 2011年9月
-
Carbon Materials to Save the Earth 2011 -Materials and Devices for New Energies and Environmental Protection- (Jeju, KOREA) 2011年8月
-
Carbon saves the Earth 2010, 8th Japan-China-Korea Joint Symposium, -Carbon Materials for Energy & Environmental Protection- (Oita, JAPAN) 2010年11月
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The 18th Seminar of JSPS-MOE Core University Program (Beijin, CHINA) 2010年10月
-
Carbon Materials for Today and Future Turkish-Japan Joint Symposium(Istanbul, Turkish) 2010年3月
-
7th China-Japan-Korea Joint Symposium on Carbon Materials to Save the Earth -Materials and Devices for New Energies and Environmental Protection- (Tsingtao, CHINA) 2009年11月
所属学協会
5Works(作品等)
26共同研究・競争的資金等の研究課題
9-
2011年 - 2012年
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2008年 - 2012年
-
特殊法人等における新たな基礎研究推進制度 2005年 - 2012年
-
2005年 - 2012年
-
特殊法人等における新たな基礎研究推進制度 2005年 - 2009年
-
共同研究 2003年 - 2005年
-
1990年 - 2005年
-
1985年 - 1995年
メディア報道
3-
九州朝日放送「KBCニュースピア」 2013年5月 テレビ・ラジオ番組
-
RKB毎日放送 2009年 テレビ・ラジオ番組