基本情報

所属
九州大学 (筑紫キャンパス) 先導物質化学研究所(グリーンテクノロジー研究教育センター) 客員教授 (九州大学)
学位
Ph. D

J-GLOBAL ID
200901021406585072
researchmap会員ID
0000003725

現在,九州大学において,環境空気中の窒素酸化物,ベンゼン、トルエン類,アルデヒド類,二酸化炭素,PM2.5などを効率よく削減できる炭素材料用いた基礎研究、環境空気の実用的な対策を視野に入れた実証試験、使用後の炭素材料の完全再生について学生指導、研究を続けています。
高活性炭素繊維(ACF)ユニットを道路沿道にフェンスとして設置,自然風を駆動力とする電気不要のシステムを開発しています。このシステムは大気汚染ガス、粉じんを効率よく削減でき,降水による連続再生が可能です。本技術は国土交通省により採択され,大阪,兵庫、東京などに試験施工,また、中国北京市の清華大学正門の構内に試験施工、実証試験が行われました。大阪ガス(株)との共同研究の結果、2013年、愛知県国道23号両側に長さ316m×高さ8m、長さ305m×高さ8mのACF防音壁の大規模施工されています。現在、国土交通省により東京の大和町交差点で、今後の施工を視野に入れた通年の実証試験(8年目)が実施されています。

※ 国内外で最高のホルムアルデヒド(HCHO)補足能力をもつ低価格の炭素材開発に成功しました(開発した炭素材 0.05gに対して、RH 40-50%のもと、酸素21%を含む10 ppm(10000 ppb)のHCHOを100 ml/minで通気させた時、通気開始から破過までの時間(破過開始時間)は、35~60時間。製造方法は簡易です。無害な1~3%水溶液に炭素材を微細孔内部のみに含浸、乾燥する低製造コストの技術になります。炭素材微細孔内のファンデルワールス力によりガスは微細孔内に侵入,濃縮され,孔から排出される過程で,細孔内壁の薬剤に高効率で捕捉されます。シリカゲル、ゼオライトなどの多孔質体に添着してはHCHO捕捉能力が弱く,炭素材に対して捕捉能力が飛躍的に伸びる特徴をもちます。比較として例えば,DNPHカートリッジは環境大気分野ではよく知られたHCHO捕集材です。そのカートリッジ1個にはDNPHを担持した黄色のシリカゲル粉末が0.35g入っています。このDNPH担持粉末 0.35gに対して,同条件で通気した結果で破過開始時間は約1時間と非常に短時間です。私達の技術では,炭素材0.05gに対して35~60時間と長期間の捕捉を実現しています。なお,私達が開発した添着炭は,HCHOの他,ベンゼン、トルエン、NO2、SO2, ダイオキシンなども高効率で未添着炭と同程度の期間、同時捕捉が可能です。このうち,NO2については無害な水と二酸化炭素に分解されます。

 以上のように、私達の技術は従来の担体の比表面積の広さを利用した添着技術とは大きく異なっています。炭素材の細孔内に侵入して濃縮されたHCHOが細孔から溢れ出る過程(スピルオーバー)で、細孔内壁に添着した薬剤と高効率で反応させる技術になります。環境で20年間連続使用可能。使用後の炭素材は簡易に完全再生が可能です。

2020年1月に特許取得済み


書籍等出版物

  13

講演・口頭発表等

  32

Works(作品等)

  26

メディア報道

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