2018年4月 - 2023年3月
ヤマカガシ咬傷におけ抗毒素の代替薬としてのトロンボモジュリン製剤の効果の検討
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
ラットヤマカガシ咬傷モデルを作成し、リコンビナントトロンボモジュリンの効果を検討し、下記のごとく誌上報告した。
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ヤマカガシは日本に広く生息しており、毎年のように咬傷事故が発生している。ヤマカガシに咬まれると、注入された毒液の量が多いと播種性血管内凝固症候群を起こし、ヤマカガシ毒液による治療が遅れると命にかかわることがある。ヤマカガシ咬傷の治療にはヤマカガシ抗毒素が使用されるが、未承認薬であり、保存容量にも限界がある。そのため、患者への迅速な投与が困難である。そこで,播種性血管内凝固症候群治療薬として市販されているリコンビナント・トロンボモジュリンαの適用を検討したところ,咬傷に対する治療効果が確認された.in vitroヤマカガシ毒素を用いたヒト血漿の凝固系およびin vivoヤマカガシ毒素を用いたラット播種性血管内凝固実験モデルでその治療効果が確認された。リコンビナントトロンボモジュリンαの投与により、in vitroではヤマカガシ毒の血液凝固時間を延長する効果が得られ、in vivoではヤマカガシ毒素をラットに投与後0.5時間以内に投与することで救命することが可能であることが確認された。血小板数,プロトロンビン時間,フィブリノゲン濃度,Dダイマー値などの血液凝固マーカーはラットで正常値まで回復した.したがって、遺伝子組換えトロンボモジュリンαはヤマカガシ咬傷の治療薬として使用できる可能性がある。
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本研究のin vivoは各群N=3であったことから、今後詳細な検討が必要である。
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ヤマカガシは日本に広く生息しており、毎年のように咬傷事故が発生している。ヤマカガシに咬まれると、注入された毒液の量が多いと播種性血管内凝固症候群を起こし、ヤマカガシ毒液による治療が遅れると命にかかわることがある。ヤマカガシ咬傷の治療にはヤマカガシ抗毒素が使用されるが、未承認薬であり、保存容量にも限界がある。そのため、患者への迅速な投与が困難である。そこで,播種性血管内凝固症候群治療薬として市販されているリコンビナント・トロンボモジュリンαの適用を検討したところ,咬傷に対する治療効果が確認された.in vitroヤマカガシ毒素を用いたヒト血漿の凝固系およびin vivoヤマカガシ毒素を用いたラット播種性血管内凝固実験モデルでその治療効果が確認された。リコンビナントトロンボモジュリンαの投与により、in vitroではヤマカガシ毒の血液凝固時間を延長する効果が得られ、in vivoではヤマカガシ毒素をラットに投与後0.5時間以内に投与することで救命することが可能であることが確認された。血小板数,プロトロンビン時間,フィブリノゲン濃度,Dダイマー値などの血液凝固マーカーはラットで正常値まで回復した.したがって、遺伝子組換えトロンボモジュリンαはヤマカガシ咬傷の治療薬として使用できる可能性がある。
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本研究のin vivoは各群N=3であったことから、今後詳細な検討が必要である。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K08890
- 体系的課題番号 : JP18K08890