講演・口頭発表等

2016年

ニホンカラマツとグイマツ雑種F1稚樹に対するオゾンと硫酸アンモニウム付加の影響-光合成と成長に着目して-

日本森林学会大会発表データベース
  • 菅井 徹人
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  • 渡部 敏裕
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  • 来田 和人
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  • 齋藤 秀之
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  • 渋谷 正人
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  • 小池 孝良

開催年月日
2016年 - 2016年
記述言語
日本語
会議種別
主催者
日本森林学会

アジアを中心とした経済発達に伴い,越境汚染物質の影響が日本でも生じている。対流圏オゾン(O3)濃度や窒素(N)沈着量が増加し続けている。O3は樹木に酸化ストレスを与え,生理機能や成長を阻害する。N沈着によるN養分の増加や土壌酸性化は土壌ストレスとして,樹木の栄養状態や成長に悪影響を及ぼす。こういった大気環境変動による北海道を含む日本の森林への影響が懸念されている。北海道の主要造林種にニホンカラマツがある。また,育種開発されたグイマツ雑種F1(以下,F1)は,病虫害耐性の高さ,初期成長の早さから期待が大きい。近年カラマツ類の低密度植栽が期待されており,植栽後の健全な成長は必須である。このため,変動環境が植栽苗木に与える影響を評価することは急務である。本研究では,土壌を介するN沈着の影響がO3の影響を悪化させることを仮説とし,硫酸アンモニウムによるN沈着処理を行った。N沈着とO3が地上部に与える影響を非破壊的に評価し,個葉レベルを光合成,個体レベルを成長から検討した。光合成では仮説が支持されなかったが,F1の成長に対する複合影響が確認された。今後,地下部の生理・成長,同化産物の分配変化を評価する必要性がある。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11519/jfsc.127.0_730