2002年
東アジアで使用されている石炭に含まれる硫黄同位体比
日本雪氷学会誌雪氷
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- 巻
- 64
- 号
- 1
- 開始ページ
- 49
- 終了ページ
- 58
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.5331/seppyo.64.49
- 出版者・発行元
- The Japanese Society of Snow and Ice
大気降下物の起源を明らかにするため,東アジア地域の石炭に含まれる硫黄の同位体比を測定し,山形県酒田市で採取した湿性降下物に含まれる非海塩性硫酸イオンの硫黄同位体比と比較検討した.また,日本に到達する空気塊の経路を知るために,酒田市を出発点とした流跡線解析を行い,以下のことが明らかになった.<BR>(1) 東アジア地域の石炭に含まれる硫黄の同位体比は-27.3~+28.9‰の範囲に分布し,平均値は+4.2±9.6‰であった.<BR>(2) 北緯30度以南のものは-15~0‰と負の値を取る試料が多く,平均値は+3.8±6.3‰であった.一方,北緯30度以北の試料は0~+15‰の範囲に分布する試料が多く,平均値は+7.4±8.8‰であった.また,北緯39度~42度の大同や北京付近の試料は+15~+30‰と特に高い値を示すものもあり,平均値は+9.6±10.8‰であった.<BR>(3) 冬季に酒田市に到達する空気塊は極東ロシア,中国東北部,渤海周辺域,北京周辺域を経由したものである.<BR>(4) 酒田市の冬季降水には極東ロシア,中国東北部,渤海周辺域,北京周辺域を通過した際に取り込んだ化石燃料起源の硫黄酸化物が含まれていると推定される.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.5331/seppyo.64.49
- ISSN : 0373-1006
- ISSN : 1883-6267
- CiNii Articles ID : 10007760893
- CiNii Books ID : AN00131221
- identifiers.cinii_nr_id : 9000239248799