2016年
葉の呼吸から林冠呼吸量へのスケーリング:呼吸特性と葉面積の時空間変動が推定値に与える影響
日本森林学会大会発表データベース
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- 巻
- 127
- 号
- 開始ページ
- 308
- 終了ページ
- 308
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.127.0_308
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
ヒノキ若齢林を対象に,葉の呼吸特性すなわちR20(温度が20度の時の呼吸速度)とQ10(温度が10度増加した時の呼吸速度の増加率)について調べ,R20はいずれの季節においても下層よりも上層の葉で高いこと,Q10は冬に高くて夏に低いものの層間差がないことを明らかにした(125回森林学会)。これら葉レベルの呼吸特性から,葉面積の垂直分布あるいは気温の季節変化を組み込むことで,林冠呼吸量あるいは年間呼吸量が推定される。本発表では,R20の垂直変化とQ10の季節変化がこれらの推定値にどの程度影響を与えるのか検討した。例えば7月の林冠呼吸量は,R20の垂直変化を考慮に入れた場合に対して,R20が一律として上層の葉のR20の値を用いた場合は2.2倍,中層の値だと0.9倍,下層の値だと0.5倍となった。一方,Q10の季節変化を考慮に入れた年間呼吸量に対して,Q10が一律としてQ10の年平均値(2.09)を用いた場合は1.13倍,冬の値(2.35)だと1.43倍,夏の値(1.93)だと0.96倍となった。したがって,年間の林冠呼吸量を推定する際,呼吸特性の時空間変動を考慮に入れることは非常に重要である。
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- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.127.0_308
- CiNii Articles ID : 130005167046