2014年3月
調理を考慮したナスの品種特性
野菜茶業研究所研究報告
- 巻
- 号
- 13
- 開始ページ
- 9
- 終了ページ
- 18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 農業技術研究機構野菜茶業研究所
ナス8品種の果実について,遊離糖,遊離アミノ酸,クロロゲン酸含量,果実の密度,果肉の硬さ,果皮の硬さ,多汁性および粘度を比較した。調理との関係では,蒸し加熱によって,果皮の軟化や多汁性の増加が認められた。また,うま味成分であるグアニル酸は80℃程度の加熱条件で最も増加した。これらの知見に基づき,各品種に適した調理方法について考察した。すなわち,'巾着茄子','ローザビアンカ'および'くろわし'については,果皮が硬いことから,浅漬けには適さないが,加熱するととろみが出るので加熱調理向きである。'泉州水茄子'は,果皮が軟らかく,多汁で甘味が強いことから浅漬け向きである。一方,'民田茄子'は果皮が硬く,浅漬けには適さない。'民田茄子'においては,小さい果実が辛子漬けに用いられるが,小さい果実では切断調製する必要がないため,果実に多く含まれるクロロゲン酸に由来する褐変を防ぐと同時に,うま味成分グルタミン酸の含量が高いという利点が考えられる。'庄屋大長',' 筑陽'および'千両二号'は,果皮が軟らかいので浅漬けにも利用できる。一方,これらの品種は,糖やアミノ酸の含量は他品種と比べて高くないので,成分の濃縮できる焼き調理が適すると考えられる。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/120005861711
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11648748
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/025353469
- URL
- http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010871335 本文へのリンクあり
- ID情報
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- ISSN : 1346-6984
- CiNii Articles ID : 120005861711
- CiNii Books ID : AA11648748