藤部 文昭

J-GLOBALへ         更新日: 19/01/02 06:14
 
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研究者氏名
藤部 文昭
 
フジベ フミアキ
eメール
ffujibe.bsgmail.com
所属
首都大学東京
部署
都市環境学部 地理環境学科
職名
特任教授
学位
理学博士(東京大学)

研究分野

 
 

経歴

 
2015年4月
 - 
現在
首都大学東京 都市環境学部
 
1986年4月
 - 
2015年3月
気象庁気象研究所
 
1983年4月
 - 
1986年3月
新東京航空地方気象台
 
1977年4月
 - 
1983年3月
東京大学海洋研究所海洋気象部門
 

学歴

 
1975年4月
 - 
1977年3月
東京大学 理学部 物理学科
 
1977年4月
 - 
1983年3月
東京大学 理学系研究科 気象学
 

委員歴

 
1996年7月
 - 
2018年5月
日本気象学会  理事
 
2009年4月
 - 
2015年3月
筑波大学大学院  生命環境科学研究科 連携大学院教授
 
2013年5月
 - 
現在
日本ヒートアイランド学会  理事
 
2016年5月
 - 
2018年5月
日本風工学会  理事
 

受賞

 
2010年5月
日本気象学会 日本気象学会賞 異常気象・顕著現象の長期変動に関する解析的・統計的研究
 
2011年9月
日本気象協会 岡田賞 日本における異常気象・顕著現象の長期変動への地球温暖化と都市化の影響を明らかにした功績
 

論文

 
日本における夕凪の気候学的特性
藤部文昭
第25回風工学シンポジウム論文集   7-12   2018年12月   [査読有り]
日本の夏の沿岸域における風の日変化を,夕凪の特徴に重点を置いて統計的に調べた.その結果,多くの地点では夕方に海風が弱まった後,夜間を通じて弱風状態が続くことが見出された.その意味で,「海風と陸風の交代に伴う一時的な風速極小」としての夕凪は必ずしも普遍的な存在ではない.しかし,夕方に海風が弱まった後の高温弱風状態自体は多くの沿岸地点で現れることから,この状態が夕凪の暑熱感として認知されている可能性が示唆された.
藤部文昭, 松本 淳, 鈴木秀人
SOLA   14 144-147   2018年10月   [査読有り]
18年間の人口動態統計の個票データを使って,日々の熱中症死亡率と気象条件との関係を調べた.熱中症死亡率は,当日の最高気温が同じでも,夏季平均気温が低い地域 (=夏が涼しい地域) ほど高い傾向がある.このことから,暑熱に対する馴化の重要性が示唆される.また,前日~ 1 週間程度前の気温が高いほど熱中症死亡率は高い傾向があるが,十数日前の気温が高ければ,死亡率はむしろ低い傾向がある.これは,短期的には暑熱負荷の持続が悪影響を及ぼすが,長期的には暑熱馴化の効果が現れるためと考えられる.
藤部文昭,松本 淳,鈴木秀人
Geographical Review of Japan Series B   91(1) 17-27   2018年6月   [査読有り]
16年間の人口動態統計データを利用し,熱中症死亡率の分布と経年的・季節的変動の特徴を調べた.熱中症死亡率の分布は年齢層によって異なる.60歳未満の熱中症死亡率は夏季(7, 8月)の平均気温と正の空間相関があり,近畿以西の太平洋側の府県で高いのに対し,80歳以上の死亡率は年間最高気温と正の空間相関があり,本州中部~北部のいくつかの府県で高い.死亡率の季節変化は,気温の季節変化に対応して7~8月に極大となるが,7月と8月の平均気温が同じなら,7月の死亡率の方が8月よりも4~5割高い.
藤部文昭
Journal of the Meteorological Society of Japan   96(2) 147-160   2018年4月   [査読有り]
全国のアメダス917地点における4年間の1分値資料を使い,地上気温に現れる数分~数十分スケールの変動の気候学的特徴を調べた.昼間の気温変動は全国的に見られ,春~夏,とりわけ高温・多照時に顕著であり,混合層内の対流運動に対応すると考えられる。一方,夜の気温変動は地点間のばらつきが大きく,北海道と東日本の一部の地点で冬に著しく大きな値を持つ。変動は昼間よりも周期が長く,低温・弱風時に顕著であり,強い接地逆転のもとで,冷気が蓄積しにくい地形条件における何らかの大気運動によって生ずると考えられる。
藤部文昭
Journal of Natural Disaster Science   38(1) 17-29   2017年7月   [査読有り]
1909~2014年の人口動態統計等の資料を使って,日本の落雷死者数の長期変動を調べた.落雷死者数は戦前は年間20~60人で推移し,戦後一時100人を超えたが,その後は急激に減少して近年は年間10人以下になった.その間,死者に占める高齢者の比率が増加した.年間の落雷死者数と雷日数(国内39地点平均)との間には,1970年ごろまで0.5を超える正相関があった.死者数の減少とともに相関は下がったが,警察白書による被害件数と雷日数との間には,近年でも0.6~0.8の正相関が認められる.

Misc

 
藤部文昭
天気   65(10) 691-699   2018年10月
1902年9月28日,強い台風が東日本を通り,筑波山では最大風速72.1m/sを記録した.当時の文献を見直しつつ,台風とそれによる災害の概要をまとめた.
藤部文昭
天気   65(5) 351-358   2018年5月
1923年の関東大震災時の火災により,中央気象台(気象庁の前身)の庁舎が焼失した際,著しい高温とともに15m/sを超える強風が観測された.1945年5月の空襲のときにも,中央気象台に火災が及ぶ中で,気温の上昇と20m/sの強風が観測された.これらの強風の状況を,既存の資料に基づいて取りまとめた.
藤部文昭
伝熱   56(237) 24-29   2017年10月   [依頼有り]
過去の観測データに基づき,地球温暖化や都市化に伴う日本の気候変化,特に大雨・強雨の変化の実態を紹介する.また,これらの将来変化の予測についても触れる.
松本 淳,藤部文昭,高橋日出男
Journal of Environmental Sciences      2017年5月   [査読有り]
東京の都市化に伴う気候変動についてレヴューした.東京都心の1901~2015年の気温上昇率は100年当たり3.0℃に及ぶ.また,都市化に伴う熱的・力学的効果による降水の増加傾向が見出され,それは数値モデルによる研究からも支持される.霧日数,相対湿度,風系などにも都市化による影響が認められる.
都市の気温は本当に上がっているのか
藤部文昭
地理   62(2) 40-47   2017年2月   [依頼有り]
日本の都市の気温上昇傾向の実態を確認し,都市の気温データの信頼性・均質性に影響する因子について議論した。

書籍等出版物

 
日本気候百科
日下博幸,藤部文昭 (担当:共編者, 範囲:編集代表,一部執筆)
丸善出版   2018年1月   ISBN:978-4-621-30243-9
日本の気候を詳しく知るため,都道府県ごとに区分してそれぞれの気候の特徴をさまざまな要因から解説した.
地球温暖化 そのメカニズムと不確実性
日本気象学会地球環境問題委員会 (担当:共著, 範囲:2.2 気温の長期変動, 7.8 極端降水の変化)
朝倉書店   2014年12月   ISBN:978-4-254-16126-7
統計からみた気象の世界
藤部文昭
成山堂書店   2014年10月   ISBN:978-4-425-55401-0
都市の気候変動と異常気象
藤部文昭
朝倉書店   2012年4月   ISBN:978-4-254-16771-9

講演・口頭発表等

 
日本の低温死亡率の地域的・季節的特性
藤部文昭,松本 淳,鈴木秀人
日本気象学会2017年度秋季大会   2017年11月2日   日本気象学会
1999~2014年の人口動態統計データを利用し,低温死亡率の空間分布と経年・季節変動を統計的に調べた.低温死亡率は北日本で高い傾向があり,各都府県の死亡率は冬季平均気温1℃の地域差に対し-13%程度変動する.また,低温死亡率は冬季平均気温の年々変動1℃あたり-20%程度変動するが,この値は夏季平均気温に対する熱中症死亡率の変動率よりも小さい.季節変化においても,低温死亡率の厳冬期への集中性は比較的弱く,低温死亡率は熱中症死亡率ほどには気温の年々変動や季節変動に敏感でないことが示唆される.
関東大震災と東京空襲の火災に伴う中央気象台の高温と強風
藤部文昭
日本気象学会2017年度秋季大会   2017年11月1日   日本気象学会
1923年9月の関東大震災後の火災により,中央気象台(気象庁の前身)の本館や付属庁舎が焼けた際,その前後半日程度にわたって著しい高温とともに最大15m/sを超える持続的な強風が観測された.この高温と強風は,気象台付近の局地現象だったと考えられる.また,1945年5月の「山の手大空襲」の際にも,気象台に火災が及ぶ中で,気温の上昇と20m/sの強風が観測された.これらの強風は持続的なものであり,火災旋風とは異なる.本報告では,今後の研究への問題提起として,既存の資料から強風の状況を取りまとめた.
藤部文昭,松本 淳,鈴木秀人
日本地理学会2017年秋季学術大会   2017年9月29日   日本地理学会
1999~2014年の人口動態統計データを利用し,日々の熱中症死亡率と気温との関係を統計的に評価した.熱中症死亡率が上昇し始める日最高気温の閾値は,各都道府県の夏季平均気温に強く依存し,夏季平均気温が低い(=夏が涼しい)地域ほど,より低い気温のもとで熱中症死亡率が上がり始める.また,日最高気温が同じなら湿度(日最小湿度)の高い日に熱中症死亡率が高い傾向がある.
日本の熱中症死亡率の地域的・季節的特性
藤部文昭,松本 淳,鈴木秀人
日本気象学会2017年度春季大会   2017年5月27日   日本気象学会
1999~2014年の人口動態統計データを利用し,熱中症死亡率の空間分布と経年変動・季節変動の特徴を統計的に評価した.熱中症死亡率の分布は年齢層によって異なり,60歳未満の死亡率は近畿以西の太平洋側の府県で高く,80歳以上の死亡率は東北~北陸の日本海側で高い傾向がある.これらはそれぞれ,夏季平均気温および年間最高気温と正の空間相関を持つ.また,死亡率の季節変化は気温の季節変化の位相差と対応し,南の地域ほど極大が早いが,月平均気温が同じなら死亡率は7月のほうが8月よりも5割ほど高い.
藤部文昭,松本 淳,釜堀弘隆
日本地理学会2017年春季学術大会   2017年3月29日   日本地理学会
気象官署の降水量データは,品質チェックを経て気象庁HPで公開されている.しかし,観測時間間隔の変遷,日最大1時間降水量の定義の変更,日界の変遷等には注意を要する.また,測器や観測単位の変更によって観測値の均質性に影響が出ている可能性がある.データが適切に利用されるよう,観測に付帯する情報(メタデータ)の整備・共有を期待したい.区内観測データについては,1926年以降の日降水量のディジタル化が行われ,現在は各気象台に原簿として所蔵されている1925年以前のデータのディジタル化が進められている.

競争的資金等の研究課題

 
熱中症による死亡をもたらす気象条件とその発現要因の解明
科学研究費助成事業
研究期間: 2017年4月 - 2020年3月    代表者: 藤部 文昭
熱中症死亡に関する日別・自治体別の長期データと気象観測データを利用した統計解析により,熱中症死亡と気象条件との関係についての詳細な統計的事実を見出す。また,熱中症死亡の多発をもたらす気象条件の発現要因を数値気象モデルを用いたシミュレーションによって解明する。これらにより,熱中症死亡抑止の基礎になる気象学的知見を提供することを目指す。また,低温による死亡も全国で年間1000人単位に及ぶことから,上記と同様の統計解析により,低温死亡に関わる気象条件の影響を評価する。
首都圏の突発的・局地的豪雨の解明に向けた次世代都市気象予測システムの開発
科学研究費助成事業
研究期間: 2017年4月 - 2020年3月    代表者: 清野 直子
首都圏において都市型水害を引き起こす突発的・局地的豪雨に,都市の高温化はどのような影響を与えているのだろうか? 本課題では,1)都市特有の地表面過程を表現する物理スキームを導入した次世代都市気象予測システムを開発すると共に,現実に即した下部境界条件を与えるため,新たに稠密な地上気象観測網データと静止気象衛星ひまわり8号の高解像度海面水温のデータ同化を行う。2)上記システムの再現性を検証した上で,豪雨事例のアンサンブルデータ同化実験と感度実験に基づき,首都圏の高温化が,豪雨の発生域や強度に与...
経常研究
研究期間: 2014年4月 - 2019年3月    代表者: 田中 泰宙
多様な土地利用状態を反映した高精度の気候情報を提供し,ヒートアイランド等の緩和方策の検討や地上観測所の適切な維持運用に資する。
過去120年間におけるアジアモンスーン変動の解明
科学研究費補助金
研究期間: 2014年4月 - 2019年3月    代表者: 松本 淳
アジアモンスーン地域では,1950年以前の紙媒体や画像での大量の日降水量データがデジタル化されず,気候変動研究に用いられていない現状を踏まえ,以下を目的とした研究を行う。
1.1950以前の旧英領インド時代のミャンマーとバングラデシュ,中華民国や満州・関東州時代の中国大陸,アメリカ領時代のフィリピン等における紙媒体や画像データで保存されている日単位での降水量等の気候要素のデータのデジタル化を完成させ,現在までの過去120年にわたる日単位での降水特性とモンスーンによる雨季の開始・終了時期,モ...
三次元雷放電点観測および偏波レーダーによる高精度落雷発生予測手法の確立
科学研究費助成事業
研究期間: 2013年4月 - 2015年3月    代表者: 林 修吾
落雷による人的・経済的被害の低減を目的として,三次元雷放電点観測および偏波レーダー観測により,雷放電および落雷が発生する物理的条件(大気の絶縁破壊と大地との接地)が出現するために必要な積乱雲内の電気的構造の気象学的・大気電気学的条件を明らかにし,リードタイム(予測時間)が1 時間以内での時間的・空間的に高精度な落雷発生予測手法を確立する.