基本情報

所属
福島大学 食農学類 教授
学位
理学修士(1989年3月 早稲田大学)
博士(理学)(2007年3月 早稲田大学)

研究者番号
40372198
J-GLOBAL ID
200901061025154077
researchmap会員ID
0000050110

外部リンク

発酵・醸造分野の研究を行っています。現在の研究の中心は、酒粕の機能性や清酒の香りを醸造学や応用微生物学の立場から解析・応用する研究と、圃場ごとの稲の生育環境が清酒の品質に与える影響についての研究です。
いずれも単なる基礎研究でも単なる応用研究でもなく、どんな仕組みで起こっているのかを明らかにする研究と産業利用可能な技術開発をいったりきたり螺旋階段のように進めています。
実験室酵母を実験室環境で培養するだけではたどり着かない現象にいち早く接し、その解明ができることも魅力の一つです。


・酒粕機能性に関する研究では機能性成分含量の調査を起点に、成分の高蓄積機構や安定化機構の解明を酵母の代謝や遺伝子の観点から行ってきました。同時に、酒粕や酒粕成分の有用性について動物実験やヒト試験を共同研究等で明らかにし、酒粕の機能が実際に消費者まで届くような研究も進めています。この研究は企業の商品開発にすぐに役立つだけでなく、ヒト試験を行う際に飽きずに食べ続けられる食材を提供できるようにする研究でもあります。酒粕は府省縦割り等の影響で、その潜在能力に比し、研究者や論文が圧倒的に少ない分野でもあります。


・清酒の老香(ひねか)と呼ばれる貯蔵劣化臭生成の研究では、老香強度と製造工程の関係を解析、老香を生成しにくい製造条件を提案しました。酵素反応による老香生成機構では、未知の酵素反応の基質、酵素、生成物を明らかにすべく、酵素反応が進まない変異株をとっかかりに酵素反応の全容を明らかにしようとしています。また、共同で老香を生成しにくい酵母を育種し、日本醸造協会から頒布し、全国の酒蔵に広く利用いただけるようになりました。


・稲の生育環境が酒質に影響するというと不思議なことのようですが、ワイン等ではテロワールとしてもよく知られている現象です。日本では米をつくるまでは農家の仕事、酒屋は入ってきた米がどんな米でも一定品質に仕上げるのが仕事という時代が長くあり、両者をつなぐ科学的な研究はほとんど行われてきませんでした。我々は、圃場ごとに収穫した米を同じ製造方法で同じ規格の酒として販売しているにもかかわらず、圃場ごとに酒質や香気成分等の分析値が明らかに違う清酒を製造する蔵元と一緒にこの仕組みを明らかにすべくアプローチしています。年に一度しか実験できませんが、毎年少しづつ真相に近づき、おぼろげに仕組みが見えるところまで来ました。
その他、これまで、微生物による排水処理、バイオエタノール用酵母、副産物利用法、清酒の官能評価、酒類分析等、広く酒類や微生物研究を行ってきました。


研究キーワード

  5

委員歴

  21

論文

  91

MISC

  54

書籍等出版物

  13
  • 藤井力 (担当:分担執筆, 範囲:第5編発酵醸造食品の機能性と魅力 第1章各種発酵食品の機能性研究 第4節酒粕の機能性と魅力)
    エヌ・ティー・エス 2025年7月10日 (ISBN: 9784860439538)
  • 藤井力, 井上豊久, 磯谷敦子 (担当:分担執筆, 範囲:第2編育種技術 第2章酵母育種 第4節 老香前駆体低生産酵母の育種技術)
    エヌ・ティー・エス 2025年7月10日 (ISBN: 9784860439538)
  • 藤井力, 金井宗良 (担当:共著, 範囲:第10章グリセロホスホコリン(GPC)、S-アデノシルメチオニン(SAM)(pp.91-99, 215ページ中9ページを共著))
    シーエムシー出版 2023年3月24日 (ISBN: 9784781317274)
  • 磯谷敦子, 井上豊久, 藤井力 (担当:共著, 範囲:第Ⅱ編 醸造微生物の最新研究 第4章 老香前駆体低生産性酵母の育種(pp.93-101, 296ページ中9ページを共著))
    シーエムシー出版 2022年3月10日 (ISBN: 9784781316567)
  • 藤井 力 (担当:共著, 範囲:第Ⅲ編 醸造食品の機能性と新技術 第5章 酒粕による老化抑制と脳機能活性化(pp.196-203, 296ページ中8ページ))
    シーエムシー出版 2022年3月10日 (ISBN: 9784781316567)
  • 藤井 力 (担当:分担執筆, 範囲:酒粕の機能性成分1(pp.226-227))
    朝倉書店 2021年6月1日
  • 松原主典, 大久保剛, 藤井力 (担当:分担執筆, 範囲:第11章 グリセロホスホコリン(GPC), S -アデノシルメチオニン(SAM))
    シーエムシー出版 2020年4月28日
  • 山本政宏ら, 章第, 節担当, 磯谷敦子, 藤井力, 藤田晃子 (担当:共著, 範囲:第2章オフフレーバーの生成メカニズムと原因特定のための分析技術 第1節清酒のオフフレーバーとその生成機構(p.59〜68)のうち主に 1.2清酒製造工程が老香生成に及ぼす影響(p.63〜66)を執筆)
    技術情報協会 2018年11月
  • 酒類総合研究所 (担当:分担執筆, 範囲:第3章きき酒(共著)、第7章全国新酒鑑評会)
    法令出版株式会社 2018年6月
  • 若林 興, 井上豊久, 磯谷敦子, 藤井 力 (担当:共著, 範囲:第12章 老香を発生させにくい清酒酵母の育種(pp.87-93))
    CMC出版 2018年1月
  • 標準分析法注解編集委員会編 (担当:共著, 範囲:21 酒かす、106 原料果汁、107 アルコール原料糖みつ、108 原料用糖類)
    日本醸造協会 2017年10月
  • 磯谷敦子, 藤井力 (担当:分担執筆, 範囲:清酒の老香生成機構と生成に関与する酵母遺伝子、酵母の死滅とDMTS生成ポテンシャル)
    シーエムシー出版 2015年2月
  • 藤井力, 山脇幹善, 日本醸造協会編 (担当:分担執筆, 範囲:用語アラカルト(p.199-207))
    技報堂出版 1995年5月

講演・口頭発表等

  267

共同研究・競争的資金等の研究課題

  17

産業財産権

  16

社会貢献活動

  44