論文

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2017年12月

層構成とラミナの等級の違いがスギCLTの面内方向の曲げヤング係数と曲げ強さに及ぼす影響

森林総合研究所研究報告
  • 平松靖
  • ,
  • 宮武敦
  • ,
  • 玉置教司
  • ,
  • 新藤健太
  • ,
  • 井道裕史
  • ,
  • 長尾博文
  • ,
  • 原田真樹
  • ,
  • 小木曽純子

16
4
開始ページ
213
終了ページ
224
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)

スギを用いたクロス・ラミネイティド・ティンバー(CLT)について、ラミナ構成、ラミナの強度等級、外層のラミナの方向が、ラミナの積層接着面に平行方向(面内方向)の曲げヤング係数、曲げ強さに及ぼす影響を明らかにするために、強度等級をMx60、層構成を3層3プライ、3層4プライ、5層5プライ、5層7プライ、7層7プライの5構成、外層のラミナの方向を長辺方向に対して平行方向(強軸方向)、直交方向(弱軸方向)の2方向とした10シリーズの試験体を、幅105 mm×厚さ30 mmのラミナ(ラミナ同士の幅はぎはしていない)を用いて作製し、縦振動法及び曲げたわみ振動法(T. G. H.法)を用いて動的なヤング係数の測定をした後、面内方向の曲げ試験に供した。その結果、以下のことが明らかになった。(1)CLTの面内方向の曲げヤング係数、曲げ強さは、層構成、ラミナの等級、全プライ数に対する強軸方向のプライ数の割合に影響をうける、(2)ラミナの曲げヤング係数、曲げ強さからCLTの面内方向の曲げヤング係数、曲げ強さをおおよそ推定可能である、(3) CLTの面内方向の静的な曲げヤング係数は、動的な測定方法により推定することが可能である、(4) CLTの見かけの曲げヤング係数と曲げ強さの相関は高い、(5)破壊形態は強軸方向のプライの引張り側にあるフィンガージョイントを含むものが多く、試験体の上部まで破断するものが多かった。

ID情報
  • ISSN : 0916-4405

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